日本サッカー協会困った! 新型コロナウイルス感染拡大で2019年11月を最後に、試合が実施されていない22年ワールドカップ(W杯)カタール大会のアジア2次予選を巡って、日本が、またもや大きな問題に直面した。W杯予選と同じアジア・サッカー連盟(AFC)主催のアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)も含め、コロナ禍でもあり、相手と対戦する前に、大会開催の時点で、難題が立ちはだかる。

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W杯アジア2次予選は、3月の2試合も、コロナ禍で再延期が濃厚だが、日本は3月25日に日産スタジアムでミャンマー戦、同30日にはアウェーでのモンゴル戦が組まれている。同じF組の相手の1つ、ミャンマー連盟とまったく連絡が取れず、音信不通であることが9日、分かった。

同国では国軍による軍事クーデターが起き、それに対し各地で抗議デモが続くなど、まさに緊急事態。ヤンゴンとマンダレーには5人以上の集会禁止令のほか、夜間の外出禁止令も出されている。コロナ禍での、この混乱ぶりで、同国連盟も思うように活動できず、事実上の機能停止に陥っている可能性がある。日本協会は、W杯予選を主催するAFCにも問い合わせを続け、情報収集しているが、AFCからも同国連盟との連絡が取れないとの返答で、現時点では“お手上げ状態”ともいえる。

すでに3月のW杯アジア2次予選は、6月に延期され、1カ所に出場国を集め、短期決戦のセントラル方式、集中開催に切り替えることが有力視されている。1月25日には、AFCから加盟する協会や連盟に「3月の試合がコロナの影響で開催できなくなることも考えられ、6月のセントラル開催を考える判断に迫られることもある」との文書が送付されている。

しかし、6月の集中開催を受け入れる国や地域の選定が難航していることもあり、「3月開催中止&6月セントラル開催」の正式決定はまだ。日本協会としては、当初の予定通り3月にホームでミャンマー戦を実施するための受け入れ準備も、併用して行っておく必要がある。感染防止対策、入国に必要な条件や手続きなど、協会、連盟同士、さらには両国外務省を含め、確認する項目は山積みだが、着手できない状況だ。

22年11月開幕のW杯本大会を見すえ、AFCは国際サッカー連盟(FIFA)との協議で「6月までには2次予選を絶対に終わらせる」ことを確認済み。ミャンマーの国内情勢によっては、同国がこのまま2次予選を戦い続けられるかなども含め、コロナ禍に加え、軍事クーデターという事態により、日本の7大会連続のW杯出場への道のりは、まったく見えてこない。