2週前となる国内女子ゴルフのヨネックス・レディース(7~9日、新潟・ヨネックスCC)では、ツアー本格参戦1年目となる99年度生まれ(99年4月~00年3月)が大会を盛り上げた。

第1日には吉本ここねが首位発進し、第2日には石井理緒が首位に浮上した。最終順位は吉本が16位、石井は23位となったものの、今月下旬に控える今季1回目のリランキング(ツアー出場優先順位)に向けて大事な賞金を獲得した。

吉本は「(第2日に)最終組でうれしかったですね。あきらめないで、結果にとらわれないでやればうまくいく時もあると思いました」と収穫を口にした。その上で「1つ上、1つ下の世代には負けないように?」との質問が出ると「はい、頑張ります」。好選手がそろう世代に挟まれたことを自覚しつつ、それを刺激に変えていた。

今の女子ゴルフは98年度生まれ(98年4月~99年3月)がツアーを盛り上げている。勝みなみ、新垣比菜、大里桃子が昨年から優勝し、今季は河本結、渋野日向子、原英莉花が優勝。そして小祝さくら、吉本ひかるが優勝争いに加わっている。海外を主戦場とする畑岡奈紗は米ツアー3勝。彼女たちはプロ転向前から黄金世代と呼ばれていた。

そして、今年末のプロテストを控えるアマチュアの00年度生まれ(00年4月~01年3月)には4月のオーガスタ女子アマ3位、アジア太平洋女子アマ優勝の安田祐香を筆頭に好素材がそろう。昨年の日本女子アマ、日本ジュニアを制した吉田優利、昨年の世界女子アマで、安田、吉田とともに日本女子の歴代最高記録となる2位フィニッシュに貢献した西村優菜、ナショナルチーム入りする古江彩佳もプロツアーに出場すると上位争いに名を連ねる。既に日本ゴルフ協会で「プラチナ世代」と紹介されるほど期待の選手がそろう。

「黄金」を飛び越え、「プラチナ」の活躍が話題になるごとに、石井は同世代で17年日本ジュニア優勝の菅沼菜々らと言葉を交わすという。「(頑張ろうと)よく言っています。また飛ばされたね」と触発されているそうだ。ヨネックス・レディース第2日で首位に立つと「今もずっと1つ上の人たちが優勝したりしているから頑張らないといけないと思っているので、不思議なことでもないし、驚かれることでももうないから」と自信をのぞかせた。

99年度生まれの世代には「黄金」と「プラチナ」のようなネーミングはない。現在の状態からみれば“谷間の世代”となるが、そう呼称されたくない意地も感じる。前出のリランキングをみれば、99年度生まれの稲見萌寧は12位と健闘している。今週開催ツアーのニチレイ・レディース(21~23日、千葉・袖ケ浦CC新袖C)には菅沼と石井が出場予定。シーズンも中盤を迎え、99年度生まれたちの反撃も追っていきたい。【藤中栄二】(ニッカンスポーツ・コム/ゴルフコラム「ピッチマーク」)