日米通算13勝を誇る丸山茂樹(48)の長男でアマチュアの奨王(しょうおう、18=UCLA)が4バーディー、1ボギー、1ダブルボギーの71で回り、1アンダーで42位だった。

 ツアーデビュー戦の緊張感は未知の領域だった。スタートの10番のティーショットから「結構、手が震えていました」。後方で父が見守っていたのも気付かなかった。いきなり左に曲げてボギー。池に入れてダブルボギーとした16番では「自分でも見たことがないような球を打った。どうしちゃったんだろう、と。体が全然動いていなかった」。18番でも52度のウエッジを握った第3打が「打ったことがないようなハーフシャンク」。3オーバーで折り返した。

 並みのアマチュアではない片りんをのぞかせたのはここからだ。「焦ってもスコアが良くなるわけじゃないし、過去を考えても仕方ない。残り9ホールでバーディーは取れる」。2番で納得のアプローチを寄せると、自らの技術への自信がよみがえる。「バックスイングがちょっとインサイドに入っている」と的確な自己分析で修正にも成功した。3、4番と連続バーディー。8番は13メートルのロングパットを沈めて同組の深堀圭一郎とハイタッチ。最終9番もドライバーを大きく左に曲げながら、第2打を冷静に刻み、残り115ヤードからピッチングで1メートルにつけて連続バーディーで締めた。

 「前半は10点とか20点。後半は100点に近い。前半3オーバーからアンダーパーで終われたのはうれしいですし、満足です。プロの試合は楽しい」。ドライビングディスタンス(297・5ヤード)でも3位となり、飛距離も見せつけた。

 クラブハウスで出迎えた父も「(前半)思うようなゴルフができないのも、1つ勉強になったんじゃないか。後半、こんなにいいスコアで上がってくれるとは思わなかった。そこに関しては、よく頑張ったなと思います。初めてのトライですから、気負わずに楽しんでやってもらえれば」とねぎらった。

 その父がテレビ解説を務める週末へ「予選を通れるようにベストを尽くしたい。テレビに映るような、いいスコアで回れたら」と上位進出への意欲をのぞかせた。