プロ10年目の香妻陣一朗(26=国際スポーツ振興協会)が5バーディー、2ボギーの67で通算9アンダーとし初優勝を飾った。

昨年、三井住友VISA太平洋マスターズでレギュラーツアー初優勝。心の余裕が生まれているといい、安定したプレーで14年賞金王の小田孔明(43=フリー)とのV争いを制した。東海大九州3年の井戸川純平(20=宮崎大淀)が通算1オーバーで2年ぶり2度目のベストアマに輝いた。

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香妻が賞金ランク6位の貫禄で初優勝を飾った。

実力者の余裕だった。首位で出たが4番パー4で2位小田に抜かれ1打差を追う展開になった。だが「1、2打差は想定内」と動じない。「ボギーが出ても焦ることはなく、全体的に安定していた」と、即5番パー5で首位に並び返した。

イーブンパーで折り返した後半は勢いが加速して3バーディー、ノーボギーで突き放した。国内ツアー8勝の小田も「陣(香妻)が崩れずうまかった。ショット力、マネジメント力があり、プレッシャーをかけたが自分が3パット打ったら、どうにもならん」とたたえるしかなかった。

昨秋の三井住友VISA太平洋マスターズで国内男子ゴルフツアー初優勝。今までは勝ちたい思いが強く空回りしたが、優勝後は「心に余裕が出た。シードも2年あるしいろんなことを試しながらやって行けている」。スタート前から「孔明さんと一騎打ちで、とにかくボギーを打たないように思った」と、ツアーさながらに闘志を燃やした。

今年は「賞金王を目指してあと2勝したい」と言い、実力者撃破の初Vで弾みをつけた。【菊川光一】

◆香妻陣一朗(こうづま・じんいちろう)1994年(平6)7月7日生まれ。鹿児島県出身。ゴルフは2歳から始め、横峯さくらの父、良郎氏主催の「めだかクラブ」に加入。姉の琴乃と共に腕を磨いた。中2から宮崎の中高一貫校である日章学園へ転校。12年プロ転向。ベストスコアは60(18年ダンロップ・スリクソン福島オープン第3ラウンド)。165センチ、71キロ。

 

〈5バーディー、3ボギーの68で通算7アンダー2位の小田〉ショットが悪いわけじゃないのに。2位はもういらない。(九州オープンは)最終組で6回ぐらい負けている。でもシード選手の貫禄は保った。

〈ベストアマの井戸川〉5位以内を目指してのベストアマなのでうれしい。プロから刺激を受けた。パターがうまくボギーを打たない。アイアンのキレが違う。ゲームのつくり方が全然違うので勉強になりました。