7日まで行われたTOTOジャパンクラシックは、古江彩佳(21=富士通)の完勝に終わった。2打差で追う賞金ランキング首位の稲見萌寧(22=都築電気)との直接対決だったが、まったく付け入るスキを与えず、3打差をつけて逃げ切った。
古江は「ボギーをたたかない、スキのないゴルフをしたい」という。最終日も「ボギーを1つ打ってしまうと、スキが見えてしまう」という考えでパーセーブを重ね、チャンスで確実にバーディーを奪い、稲見に競り勝った。
古江は攻めより守りを重視する専守防衛型。大相撲で例えれば、守りが鉄壁だった横綱大鵬か。これに対して稲見は万能型。精密機械のようなショットとパットを武器に攻めてよし、守ってよしの横綱白鵬みたいな存在だ。
稲見は今季8勝。横綱白鵬のように優勝回数を重ねている。優勝後のインタビューで「圧倒的に勝つ絶対王者になりたい」と話したことがある。優勝争いは、はたからみればハラハラドキドキが面白いが、やっている本人たちにすれば、大差をつけた中で余裕で勝ちたいと思う気持ちも分かる。
TOTOジャパンクラシックの前日会見で、渋野日向子も「今までダントツの優勝もないし、強い選手は最初からズバッといく。最初から勢いのある強いゴルフができるようになりたい」と話した。つい最近「面白いゴルファーになりたい」と言っていたようだが、渋野の優勝は、それこそ劇的なものが多い。ハラハラドキドキこそ、渋野の真骨頂と思っていたが、本人には別の思いもあるらしい。
渋野を横綱に例えるなら、栃錦か。体は小さいが、奇想天外なワザや大逆転で国技館を沸かせた名横綱だった。劇場型ともいえる相撲は、渋野のゴルフと同じだ。ただ、劇場型にはギャラリーが必要だ。上位の成績で終えた試合も、ギャラリーがいたら、結果が変わったかもしれないと残念に思う。
古江、稲見、渋野だけでなく、いろんなタイプの個性のある選手がぞくぞくと出てきている。今年の女子ゴルフは、とにかく面白い。多くのギャラリーに、そのプレーや個性を目の前で生で見て欲しい。【桝田朗】

