「勝利の方程式」を見つけた。東北大アメフット部ホーネッツは3日、アミノバイタルフィールドで行われる東日本代表校決定戦で、関東王者の日大と対戦する。勝てば大学日本一を決める「甲子園ボウル」の出場権を獲得する。昨年は2-47で早大に大敗。初の関東勢撃破へ、OL冨上(とかみ)健太郎(4年=理学部)に期待だ。物理学を専攻し、来春に東北大大学院に進学する男は、運動方程式「F(物体に働く力)=m(質量)a(加速度)」の理論で進化した。
「前回はOLの力が足りなかった」。OL(オフェンスライン)をけん引する冨上は昨冬の惨敗を振り返る。東北大の先発OLの多くは180センチ、110キロ以上。3年生の板橋達郎(経済学部)は192センチ、117キロと、相手にとって脅威だ。だが一昨年には10-20と善戦した早大から、昨年はセーフティーで2点しか奪えなかった。冨上は「10ヤード進むのは、こんなに難しいのか」と関東勢との力の差を痛感した。
多くの部員と同様、大学から競技を始めた。「力のかけ具合は力学と通じるものがある」と気づいた。来春から大学院で「光を物質に当ててその変化を見つける」研究の「超高速分光」を専攻する。先発OLのうち、4人が理系。ヒットの練習中「a(加速度)が速くなれば運動量が大きくなる」と話すこともしばしば。会話を方程式で表すと「F=ma」。アメフットならFはヒットの強さ、mは体重。この方程式が勝利の鍵になる。aの増加には「いかに1歩を速くして体重を前に乗せるか」が重要だ。ステップ練習、ダミーを用いたタックル練習に明け暮れた。
技術も伸びた。1年間、日大の背中を追い続けた。4月に日大との合同練習に参加。「(ヒットの際の)手の使い方がうまいと思った。日大は手で相手を押さえるが、僕たちは頭で行っていた。実戦形式の練習も多くやって、理解面や技術の精度を早い時期から高めた」と大きな収穫を得た。春先から日大の試合を毎試合映像で確認していた。「今回はOLの力で勝ちたい」と固く誓った。【秋吉裕介】


