12年ロンドン五輪(オリンピック)男子フルーレ団体銀メダリストの三宅諒(29=フェンシングステージ)が、初戦で敗退した。1回戦の第2試合に登場し、昨年インターハイ覇者の飯村一輝(16=京都・龍谷大平安高2年)に10-15で敗れた。

試合後は「まだまだ頑張らなければならないな、と感じさせられた試合。やはり高校生に負けてはいけない。弱さを認め、もっと本気にならないと」と悔しがった。

大会直前に自身の公式YouTubeで、8月1日に一般女性と結婚していたことを発表。新型コロナ禍の中では、来夏へ延期になった東京五輪に向けて食事宅配サービスUberEats(ウーバーイーツ)でアルバイトをしていたことが話題になっていた。

異例の経験をへて春以来の実戦を迎えた。「UberEatsは、やって良かったと思う。もう1年、どうしようと思っていた中で注目してもらえた。アスリートが、ただ競技をすればいいわけではないことも再確認できた」。結果として新たなスポンサー契約も勝ち取ったが「今は、フェンシングをスポンサーさんと一緒にワクワクしながら取り組めている。いい報告をしたかっただけに、ふがいない。ワクワクさせられなかった。自分が思っている以上にガッカリされているかもしれないし、次の試合があった時に結果を出さなければいけない」と、反省と切り替えを強調した。

結婚した会社員女性の夫人については「一番のサポーター。UberEatsなどの挑戦をして、人生が大きく変わったとは思わないけど、良かったことは結婚できて『よっしゃー』の方が大きいかもしれない」と笑いながら「妻は、とてもやさしくて、大変な時期でも一緒にいてくれた。ともに五輪を目指していけたら」と感謝した。

最後に「もっともっと強くならないと。東京五輪のメンバーに選んでもらうためには、ここで優勝しなければいけなかった。ただ、皆さんの前で約束します。三宅、まだまだ諦めない」と宣言し、東京五輪へ挑戦し続けていく。【木下淳】