既存3団体を統合したJeSUは18年2月から活動しています。この年のジャカルタ・アジア大会で、eスポーツがエキシビション競技に採用されたことがきっかけ。日本オリンピック委員会(JOC)の加盟条件が「国内唯一の統括団体」で、まだ加盟前ですが統合したことで、JOC経由の派遣が認められました。

大会には東アジア予選を突破した3人が出場。全6種目あるうちの「ウイニングイレブン2018」で金メダルを獲得しました。大変な盛り上がりで、国旗掲揚も君が代もメダルも、すべて本種目と同様。選手村も使えました。22年の杭州アジア大会では正式種目への昇格が決まっています。

その先、五輪の正式種目になることが悲願です。現在、国際eスポーツ連盟(IeSF)が国際スポーツ連盟機構(GAISF)へ加盟申請中。承認されれば国際オリンピック委員会(IOC)加盟への道が開けます。日本だとスポーツは「体育」ですが、海外では「競技」。マインドスポーツも含まれ、チェスも(99年から)IOCに加盟しています。その中でeスポーツの24年パリ五輪での採用は…。ハードルは高いものの、昨年12月にスイス・ローザンヌで開かれた会議体で「実競技に則したゲームは大いに可能性がある」「それ以外の種目も継続協議」と2つの方向性が出ました。IOCスタッフとも定期的に話しています。パリの先も見据えつつ、正式に動きだす気配はあります。

東京五輪に合わせ、米インテル社が7月22~24日に予定していた国別対抗戦も1年延期となりました。ただ、この新型コロナ禍でも自宅で楽しめる競技。実況や解説も遠隔で可能です。チート(不正)対策、本人確認、ネット接続速度の差など課題はありますが、年末にある世界選手権の日本代表を選ぶために、通常開催を大前提に、予選のリモート実施も検討はします。

国内ゲーム人口は、4800万人超。そのうちeスポーツファン(愛好家)は昨年483万人、23年には推計で1215万人になる見通しです(KADOKAWA Game Linkage調べ)。今後さらに普及させるため、例えばゴルフ練習場のような施設を設けて、eスポーツのプロがレッスンしたり、仲間で集まってスキル伝授や戦略継承ができれば理想。当面は環境拡充、大会増加を推し進め、将来の五輪出場への筋道を立てたいですね。(298人目)