飛び込みのパリ五輪テスト大会を兼ねたフランス・オープンは9日、パリ郊外サンドニに新設されたアクアティクスセンターで行われ、男子高飛び込みは17歳の玉井陸斗(JSS宝塚)が500・55点で優勝した。

東京五輪金メダルの曹縁(中国)が9・75点差の2位、ノア・ウィリアムズ(英国)が3位で続いた。

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玉井がパリ五輪へ好調を維持している。完成したばかりの五輪本番会場で東京五輪王者を抑えて頂点に立った。「初めて」という国際大会制覇を成し遂げ「安定した飛びができた」と控えめに喜んだ。

5回目まで曹縁やウィリアムズと競り合い、2位をキープ。最終6回目で得意のひねり技を決め、99・00点をたたき出して逆転した。「離されずに最後の2本を決めることができたのでメダルを取れた」と納得顔だった。

昨年の世界選手権(福岡市)で痛めた腰への負担を軽減させるため「ジャンプ力の強化や(踏み切りで)真っすぐ飛び出すこと」を意識しているという。4月21日のワールドカップ(W杯)スーパーファイナルでも準優勝。今夏は飛び込み日本勢初の五輪表彰台に期待が膨らむ。「メダルへの執着を忘れずに力を発揮したい」と力強く宣言した。