女子のLS北見が、日本勢初の開幕3連勝で首位に浮上した。午前9時からのデンマーク戦に8-5。午後8時からの韓国戦は完全アウェーをものともせず、我慢比べの末に7-5で競り勝った。2日間で3勝を挙げ、初の4強進出に向けて前進した。男子の軽井沢クは強豪英国に5-6で惜敗し、1勝1敗となった。

 スキップ藤沢には自分への声援に聞こえた。3000人収容の江陵カーリングセンターは「テーハミング(大韓民国)」の大合唱。しかし初五輪の26歳は「なんか私、ニッポンに聞こえちゃうんです」と笑った。負けるといつも「私のせいです」と涙を浮かべる繊細なスキップが、勘違い? を味方に3連勝を呼んだ。

 デンマークを退け、アジアの宿敵と決戦。4-5の第9エンド(E)。藤沢は「1点をとられて2点差でラスト(第10E)だなと思った」。しかし韓国スキップの最後の石がミスとなり、2点が転がり込んだ。「最後によく滑るようになった変化を相手はつかんでなかった」と胸を張った。

 出身地の北海道・北見市は本橋、北海道銀行の小笠原ら多くの五輪選手を輩出。藤沢は練習場に掲げられた横断幕を見て育った。「『祝○○選手、五輪出場!』っていつも書いてあった。私もこのまま続けていれば、出られるんだろうなと思った」。だが前回のソチ五輪は代表決定戦で敗戦。元プロ野球選手の話を聞いて視野を広げ、心理戦に強くなるため「人狼ゲーム」にもトライ。この日は韓国の大声援に負けないパフォーマンスを見せた。

 昨秋のパシフィック・アジア選手権で敗れた韓国に五輪で雪辱。サード吉田知は「失敗して『イエイ!』と言われるのはあまりない。『もう絶対失敗しないぞ』と思った。盛り上がれば、何でもいいです。五輪なんで」とにっこり。試合消化数は違うが、首位は日本勢初。1次リーグ後半の強豪国との対戦へさらに加速する。【益田一弘】