北朝鮮は4日、平昌冬季五輪(ピョンチャンオリンピック)を機に、金永南・最高人民会議常任委員長をトップとする高官代表団3人と随行員18人を9~11日の予定で派遣すると韓国側に通告した。韓国統一省が明らかにした。

 金正恩・朝鮮労働党委員長率いる現体制下では、最側近の崔竜海党副委員長が金永南氏よりも強い実権を握っているとされる。しかし金永南氏は対外的に国家元首の役割を務め、名目上はナンバー2。北朝鮮は「首脳」を送ることで、韓国との対話を続ける意思に変わりがないことを示す狙いがあるとみられる。

 南北は1月9日の閣僚級会談で、北朝鮮が高官代表団を平昌五輪に送ることで合意していたが、今回の通知では代表団一行が平昌へ入るかどうかは不明。北朝鮮は金永南氏以外の高官代表団2人の顔ぶれも韓国側に伝えていないという。このため、崔氏を含む、正恩氏により近い人物が訪韓する可能性が残されている。

 北朝鮮は2016年のリオデジャネイロ夏季五輪の開会式には崔氏を代表として送った。