平昌五輪(ピョンチャンオリンピック)で世界最多8度目の代表に選出されているノルディックスキー・ジャンプ男子の葛西紀明(45=土屋ホーム)が「和」をもってメダル取りに挑む。30日、欧州遠征から帰国。大舞台では日本選手団の旗手を務めるが、主将だった14年ソチ大会では他競技の選手と交流し、力をもらい銀メダルを獲得した。今回も同様に触れ合い、自身の力を還元。日本の力を集結し、輝くメダルをみんなで目指す。
チーム「JAPAN」で勝負にいく。葛西は約1カ月の遠征を終え、新千歳空港に降り立った。遠征中に史上最多8度目の五輪代表に決定。「日本の顔」とも言える選手団の旗手も務めることになっており、お祭り男の気持ちは早くも沸点に達している。「旗手としていろんな選手に会って勇気づけて力を注入したい。日本の力を集結したいですね」と決意を口にした。
自分のためではない。日本のために大舞台に挑むつもりだ。前回ソチ大会で主将を務め、開会式だけでなく、他競技の会場にも足を運び選手たちと積極的に交流した。握手を交わし、力をもらったことで、個人銀メダルを手にした。今度はその雰囲気を自分が作る番。9日の開会式を挟み8日がノーマルヒル予選で、10日が本戦。過密スケジュールになるが気にもしない。
前回の開会式は「旗手の方が目立って主将は目立たなかった」と振り返る。今回も開会式に出席する。「パワーを持っているスケート、スノボ(スノーボード)の選手がいるのでそういうパワーを共有したい。ソチの時もそんな感じがあった。若い時は自分だけだったが、それではだめだと分かった。みんなの雰囲気をつくってあげたい」。文字通り日本選手団の旗印になる。
今季W杯で13日のバートミッテルンドルフ大会(オーストリア)の5位が最高と調子が上がってこないが、1月は自身も力をもらえる月。この日は愛娘の璃乃ちゃんの2歳の誕生日。荷物にはディズニーのミッキー、ミニーマウスのぬいぐるみをしのばせていた。4日は母幸子さん、7日は妻怜奈さん、11日は父利紀さんと誕生日ラッシュと上昇ムードが漂う。
今後は2月1日から4日間、札幌で合宿を行い5日に決戦の地へ向かう。「代表が決まるまでは不安だったが、これからは平昌に目標を切り替えてやっていきたい」。レジェンドが五輪モードに突入した。【松末守司】