平昌五輪(ピョンチャンオリンピック)ノルディックスキー・ジャンプ女子の高梨沙羅(21=クラレ)が、身も心も“平昌仕様”で韓国入りした。6日、他3人の代表とともに欧州から平昌に入った。空港では待ち構えた地元ボランティアらから歓迎を受けると満面の笑み。緊張感を漂わせ入国した前回ソチ五輪とは違う。リラックスムードの高梨がそこにいた。「こんなにたくさんの人に迎えてもらえるとは思っていなかった。4年間、金メダルをとるために練習してきた。その成果をしっかり出したい」と静かだが確かな口調で言った。

 「夜更かし、沙羅ちゃん」で勝負する。五輪直前に行われるはずだったW杯(オーストリア)がキャンセルになったが、日本には帰国せずスロベニア・プラニツァで合宿を行った。平昌では午後9時50分スタート。平昌と時差のない日本に戻り普通に生活しては調整に支障をきたすため、あえて欧州時間で過ごすことで試合に合わせてきた。鷲沢チーフコーチは「時間調整をしっかりやってきた。平昌では昼に起き始める生活になる」と説明した。

 4年前の雪辱へ万全の態勢だ。スロベニアの合宿では、2日間のジャンプ練習で約10本のジャンプを飛んだ。先月末に行われた蔵王大会時「75%」だった調子は「90%。あとは気持ちの勝負」と上昇度を示した。ソチで断念した9日の開会式への参加も「ぜひ出たい」と熱望する。五輪の借りは五輪で返す-。輝くメダルへの再挑戦が始まった。【松末守司】