ノルディックスキー・ジャンプ男子の葛西紀明(45=土屋ホーム)にソチ五輪再現の予感が漂った。今日16日にラージヒル(ヒルサイズ=HS142メートル)の予選に出場。前日の公式練習では3回飛び2回目に138メートルの大ジャンプ。条件の違いはあるが、飛距離でW杯個人総合首位のストッフ(ポーランド)に1・5メートルと迫る全体2位(得点は5位)と復調気配を示した。

 初戦のノーマルヒルは21位だったが、前回五輪では8位の後、2回の直前練習で飛距離2位を2度記録し、銀メダルに結びつけている。流れが向いてきた葛西は「風も良かったが少しずつ良くなっている」と手応えをつかんだ。12日の女子ノーマルヒルで同じ所属先の愛弟子、伊藤有希(23)が9位に敗れた。帰国前日の13日夜にはバレンタインデーのチョコを持参し、葛西の部屋に来て大粒の涙を流したという。「悔しさは分かる。頑張ったぞという証しを見せたい」と“敵討ち”に燃える。予選の上位50人が17日の本戦に進む。