スピードスケート女子3000メートルで、5位に入った中長距離のエース高木美帆(23=日体大助手)が、12日の1500メートルで悲願のメダルに挑む。11日は本番リンクで最終調整。最終14組で世界記録保持者ヘザー・ベルフスマ(米国)と同組に入ったレースへ、念入りに滑りを確認した。

 「譲れない」と語る得意種目。今季のワールドカップ(W杯)は出場した4戦すべてを制しており、金メダルへの期待も高まる。スケート大国オランダ勢に表彰台を独占された3000メートルのレース後には「良い刺激が入った」と話すなど、肌で感じた感覚もプラスに働きそうだ。

 500から5000メートルまでを滑り、92年アルベールビル・オリンピック(五輪)1500メートル銅メダルの日本連盟の橋本聖子会長から「1500のスペシャリストになるためには1000でスピード、3000で持久力を磨きなさい」と教えを受けた。種目を絞って戦う選手が増える中、高木は種目をつなぎ合わせることで、1500メートルの安定した滑りを作り上げた。

 金メダルなら98年の清水宏保以来日本人2人目。メダルなら女子では同五輪の岡崎朋美以来20年ぶりとなる。23歳で迎えた2度目の五輪。その足に思いを込め、平昌のリンクを駆け抜ける。【奥山将志】