日本のエースが、悲願の金メダルを獲得した。女子500メートルで小平奈緒(31=相沢病院)が36秒94のオリンピック(五輪)記録で優勝した。日本人で同種目を制したのは98年長野五輪の清水宏保以来2人目で女子初の快挙。31歳での優勝は冬季五輪の日本選手団で最年長となった。

 小平が「世界一の指導者」と信頼する結城匡啓コーチは、教え子の成長に目を細めた。16年春に2年間のオランダ留学から帰国した小平と「22カ月計画」を設定。右足首の故障で体力が低下していた当時を思い返し「『まさかここまで』と最初は思っていた」と明かした。この日は「この人、試合するのかな」と思うほどの食事量に驚き「『36秒という数字が見たい。それで負けてもいい』というアスリートとしての生き方を感じた」。レース後は肩をたたき喜びを分かち合った。