大迫傑(28=ナイキ)が2時間5分29秒で、自身が持つ日本記録を21秒更新した。順位は日本人トップの全体4位で、東京オリンピック(五輪)代表に大きく前進した。

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大迫は、1度決めたことはとことん取り組む姿勢を貫いてきた。中学生のころ、家族5人で車に乗って東京・町田から山梨までブドウ狩りに出かけても「今日はこのあと、こういう練習をしたいから」と旅行を途中で切り上げ、1人電車に乗って帰京。当たり前のように練習をこなした。

家族でスキー旅行に出かけたときも「けがをしたら走れなくなってしまう」。スキー板ははかず、1人で雪遊びをしながら家族の滑降を待っていた。父の猛(たけし(57)さんは「親としても、偉いなと思った」と感嘆した。

宿題を素早く済ませたのは夜の練習時間を確保するため。ジュースは体に良くないと言われたら、きっぱり断つ。中学1年時は通っている金井中に男子陸上部がなく、江戸川区の陸上クラブまで片道1時間以上かけて通い続けた。子供のころから、絶対に崩れない信念の持ち主だった。【奥岡幹浩】