どん底からはい上がり、メダル獲得につなげた。16年2月のグランドスラム(GS)パリ大会で初戦負け。札幌に帰省し「試合にも出たくない。五輪にも行けないし」と気を落としたが、切り替えて4月の全日本選手権に出場。オリンピック(五輪)代表候補1番手でGSパリ大会優勝の田知本愛を決勝で破り、2番手から逆転で五輪代表権を獲得した。

五輪本番でも準決勝で前回王者オルティス(キューバ)に敗れはしたが、3位決定戦でサイト(トルコ)相手に優勢勝ちし、00年シドニー大会からの同階級5大会連続の日本人表彰台を守った。金メダルは逃すも「夢の舞台だと思っていたけど、夢がある舞台だな」と畳を後にした。東京での2大会連続五輪を目指していたが、昨年10月の講道館杯準々決勝で敗れ「(手術を受けた)腰と相談しながら、今後を考えていきたい」と話し、同11月に現役引退を表明した。

16年リオデジャネイロ大会での道産子メダリストは卓球男子団体銀の丹羽孝希と山部の2人。88年ソウル大会射撃で銀メダルを獲得した長谷川智子(旧姓名)から続く、8大会連続の道産子メダリスト誕生となった。東京大会では、山部らから引き継がれた9大会連続の期待がかかる。