19年ラグビーワールドカップ(W杯)で日本代表の8強入りに貢献したWTB福岡堅樹(27=パナソニック)が、7人制代表での東京オリンピック(五輪)出場を断念した。日本ラグビー協会が13日に発表。新型コロナウイルスの影響で五輪が来夏に延期になったことを受け、夢である医師への道を優先することを決断した。16年リオデジャネイロ五輪の主将を務め、4位入賞に導いた桑水流(くわずる)裕策(34=コカ・コーラ)、故障によりリオ五輪出場を逃していた橋野皓介(32=キヤノン)らベテラン勢も離脱する。

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19年ラグビーワールドカップ(W杯)で日本代表の8強入りに貢献したWTB福岡堅樹(27=パナソニック)が、7人制代表での東京オリンピック(五輪)出場を断念した。

日本ラグビー協会が13日、7人制代表候補の練習生からの離脱を発表。新型コロナウイルスの影響で五輪が来夏に延期になったことを受け、夢である医師への道を優先することを決断した。14日にオンラインで記者会見を行う。

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15人制からの転向で注目を集めていた福岡だけでなく、7人制を知り尽くした34歳の桑水流、32歳の橋野らが東京五輪挑戦を断念した。関係者によると共に1年延期による体力面や、モチベーションの難しさが決断の一因となったといい、橋野は「(決定時に)『よし1年後!』とはなりませんでした」と明かした。

同じラグビーだが、15人制と7人制は大きく異なる。昨秋の15人制W杯日本代表は、初戦のロシア戦先発15人の平均が183・6センチ、99・5キロ。16年リオ五輪でニュージーランドとの初戦に臨んだ7人制日本代表は、先発7人の平均が180・4センチ、89・4キロだった。身長はさほど変わらないが、体重は約10キロの差だ。

15人制はパワーでインパクトを与える選手など、比較的「個」の特色が強く出る。一方、7人制は15人制と同じフィールドで戦い、1日に複数の試合が組まれる。かねて桑水流も「100メートルを何本も走るイメージ。15人制は中距離から長距離」。15人制W杯は約2倍の31人が登録されるが、五輪7人制は12人。万能さが求められ、中でも体力は必須だ。4年前の五輪日本代表の最年長は33歳で、30代は当時30歳の桑水流を含めて2人。1年単位で代表争いが引き延ばしとなり、ベテラン選手にとって厳しい状況となった。【松本航】

◆7人制ラグビー 15人制と同じフィールドを使用し、試合時間は前後半7分で1日数試合行う。FW3人、BK4人で構成し、スクラムは3人同士で組む。トライ後は、バウンドさせて蹴るドロップキックでゴールを狙う。リオ五輪から採用され、東京五輪は男女とも12チームが出場。4チームずつ3組に分かれて1次リーグを行い、各組上位2チームと各組3位の勝ち点上位2チームが、8チームによる決勝トーナメントに進出。順位決定戦も行われる。

◆リオ五輪7人制VTR 1次リーグC組の日本は、初戦で優勝候補のニュージーランドを14-12で破り大金星をつかんだ。その後、英国に敗れたがケニアに圧勝し、同組2位で準々決勝進出。B組2位のフランスにも勝利して、15人制も含めた主要国際大会初の4強入りを決めた。準決勝では金メダルのフィジー、3位決定戦では南アフリカに敗れたが存在感を示した。