東京五輪代表の井狩裕貴(20=イトマン近大)が、五輪前最後のレースを泳いだ。本職の400メートル個人メドレーで、午前の予選は4分14秒49で全体の1位通過。午後の決勝は、4分14秒95を出して、優勝した。

五輪前最後のレースは、本番の午前決勝を想定して泳いだ。前夜に短水路(25メートルプール)で400メートル個人メドレーを泳いで、夜10時に就寝。この日は午前5時に起きて体を動かした。「午前の予選を、本番決勝と思って泳ぎました。スピードがまだ足りてない。ここで1回インパクトがあるタイムを出したかったけど。不本意です」。自己ベスト4分11秒88に届かなかったことを悔やんだ。

それでも午前決勝に向けて、準備を重ねている。「2日間かけて4コメを泳ぐのは初めて。やっぱり前の日のダメージはあったなと。ぶっつけ本番でなくて、よかった。次につなげられる日になった」と話した。

19年ユニバーシアード王者の井狩は、4月の日本選手権で瀬戸に次ぐ2位に入り、初の五輪切符を手にした。16年リオデジャネイロ五輪は萩野が金メダル、瀬戸が銅メダルを獲得した種目だけに「メダルを狙っていく」と話している。

東京五輪での同種目は、今季世界ランキング1位の瀬戸大也(4分9秒02)と同2位ケイリッシュ(4分9秒09)が金メダルを争う構図。井狩は、4分10秒切りを目標に掲げている。そのタイムを達成できれば、東京五輪での表彰台も見えてくる。【益田一弘】