悲願の金メダルへ、サッカー男子日本代表がMF久保建英(20=レアル・マドリード)の3戦連発で決勝トーナメントに進出した。31日の準々決勝(カシマ)で、B組2位のニュージーランドと対戦する。

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日本の強みは、守備で大崩れしないところだね。今大会出場のどのチームより、連係面を含めて守備は安定している。メキシコ戦の後半はバタバタした時間帯があったけれど、A組を首位で突破できたのは、全員の守備意識が高く、連係が取れたから。1次リーグでは、この戦術で十分だ。

フランス戦は4得点するなど、楽な展開だった。攻撃力が評価されることもあるだろうが、相手は日本戦前までの2試合で7失点のチームだよ。ボランチ2人が積極的な攻撃参加を控えるなど、無理しなかったところはあったが、日本の攻撃力にはまだ疑問符が付いてると思うよ。

重要なのは、トーナメントに上がってからで、守るだけでは次には進められない。勝ちにいく戦いができるかは、微妙だね。次戦(31日、カシマ)の相手が、比較的に弱いと言われるニュージーランドで、ラッキーな感はあるけれど、そこを抜けると、今度はスペインかコートジボワールとの一騎打ちとなる。そこで勝ち切らないと、メダルを首に掛けることは、難しくなるからね。

トーナメントに入ってから、森保監督がどういう戦術を取るのか。先制点を許して1点を取りにいく時、チームとしてどこでリスクを冒すのか。監督の腕の見せどころだな。(日刊スポーツ評論家)