【忘れられない味〈5〉グランド小池商店】30年前にバズった「桑田おでん食べる」

記者には「忘れられない味」がある-。2年前に日刊スポーツ紙面で連載したシリーズのSeason2。取材先で、仕事の合間に、または仕事から離れた日常に出会う味は、原稿の絶妙な「調味料」になります。記者のサイドストーリーをご賞味ください!

その他野球

今からざっと30年前。巨人担当(他社も含めて)は、桑田真澄選手(現巨人投手チーフコーチ)のことを隠れて「竹輪(ちくわ)さん」と呼んでいた。

当時、桑田さんは一挙手一投足が注目の的で、毎日、記事になった。ある日、日刊スポーツに次のような見出しが躍った。

「桑田おでん食べる」

★勝手にあだ名「竹輪さん」

先輩記者がマジメに仕事をしただけだが…笑える。新聞記事の誤植や、街中のへんてこな看板などを集めた雑誌「VOW」(バウ)にも取り上げられ(今で言うとバズった)、私たちは勝手にあだ名をつけて盛り上がった。

なぜ「ちくわ」か、特別な意味はなく、語感の据わりが良かったからか。ご本人は全くあずかり知らないこと。桑田さん、ごめんなさい。

さて、そのおでん屋は、巨人の多摩川グラウンド(東京・田園調布緑地)のそばにあった。「グランド小池商店」。オープンは1955年(昭30)、練習を終えた巨人の選手の胃袋を癒やしてきた。

「おばちゃん、おでん」。長嶋さんも王さんも、江川さんも西本さんも、そう言ってお店に駆け込んだ。

1988年入社。プロ野球を中心に取材し、東京時代の日本ハム、最後の横浜大洋(現DeNA)、長嶋巨人を担当。今年4月、20年ぶりに現場記者に戻り、野球に限らず幅広く取材中。