【私と長嶋さん〈18〉】まるでモーゼ、忘れられない光景 半世紀伴走した野球人/1

半世紀近く、長嶋茂雄さんに伴走してきた野球人がいます。広島、巨人、ロッテなどで投手として活躍した小俣進さん(74)。選手として、監督付広報として、そして家族のような近さで長嶋さんを支えてきました。間近で見てきた長嶋さんの素顔から偉大さまで、いろいろ語ってくれました。4回連載します。

プロ野球

◆小俣進(おまた・すすむ)1951年(昭26)8月18日生まれ、神奈川県出身。藤沢商(現藤沢翔陵)―コロムビア―大昭和製紙を経て、72年ドラフト5位で広島入団。巨人、ロッテ、日本ハムに在籍した。174試合に登板、16勝18敗2セーブ。左投げ左打ち。現役時代は178センチ、77キロ。

長嶋茂雄さんが亡くなった翌日の6月24日、東京・田園調布の自宅に弔問に訪れた松井秀喜さん

長嶋茂雄さんが亡くなった翌日の6月24日、東京・田園調布の自宅に弔問に訪れた松井秀喜さん

「松井の声は届いていたと思う」

2025年6月3日、未明。東京都内の病院の特別室で、長嶋さんに付き添っていた近しい人が携帯電話を長嶋さんの耳にそっとあてた。ニューヨークにいる松井秀喜さんだった。数時間後の午前6時39分。長嶋さんは逝った。亡くなる直前、その人の手を信じられないほどの強さでぎゅっと握って。

小俣さん俺は死に目には立ち会えなかったけど、その話を聞いて涙が出た。松井の声は監督(長嶋さん)に届いていたと思うよ。ふたりにしかわからない、あうんの呼吸があるから。

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1988年入社。プロ野球を中心に取材し、東京時代の日本ハム、最後の横浜大洋(現DeNA)、長嶋巨人を担当。今年4月、20年ぶりに現場記者に戻り、野球に限らず幅広く取材中。