着任直後に選抜辞退…沖縄尚学・比嘉公也監督をトップランナーたらしめる磁力/連載Ⅳ

今夏も、甲子園を目指す大会が始まりました。全国のトップを切り、6月17日に沖縄大会が開幕。沖縄尚学は春夏連続の甲子園を狙います。監督の比嘉公也氏(41)は、エースとして1999年のセンバツを制し、26歳の指導者として甲子園に戻ってきた08年のセンバツでも母校を再び頂点に押し上げました。立場を変えて2度、紫紺の大旗を手にした今も「日々の積み重ね」の大切さを後輩に説き、指導を続けています。次代のフロントランナーと期待される同氏の、信念の指導に迫ります。4回連載の最終話。(文中敬称略)

高校野球

08年選抜準決勝 東洋大姫路戦

沖縄尚学を率いる比嘉公也は、高校日本代表のコーチも務める。

代表監督の明徳義塾(高知)・馬淵史郎監督を補佐し、高校ジャパンを指導する。2014年の「第10回U18アジア選手権」でもコーチを務めた。同大会でアシスタントコーチとして比嘉と接した市船橋(千葉)の監督、海上雄大(写真)は、その人となりをこう語る。

海上比嘉監督ご本人は勝負事に対して、こだわりを持っていると思うんです。でも、ぼくらからしたら、すごく力んでいない。

ぼくらが見られるのは、沖縄の決勝だったり、甲子園に出ている姿。同じ場所で試合をする人間として、常に自然体で、選手たちを見ている雰囲気があるかな。失点しても、平常心でバタバタしない、ゲームを見ていてすごく感じます。

現在はソフトバンクで活躍する東浜巨らと2008年の選抜大会に臨んだ際、準決勝で優勝候補の東洋大姫路(兵庫)とぶつかった。

沖縄尚学―東洋大姫路 決勝進出を決め、ハイタッチで喜ぶ東浜巨と嶺井博希。比嘉の胆力が発揮された試合=2008年4月3日

沖縄尚学―東洋大姫路 決勝進出を決め、ハイタッチで喜ぶ東浜巨と嶺井博希。比嘉の胆力が発揮された試合=2008年4月3日

大会屈指の好投手、佐藤翔太を擁した強敵に、8回表まで2―0とリードされた。

比嘉はベンチでマネジャーの隣に立ち、スコアブックを見つめていた。打順の巡りを確認し、勝負どころを見極め、8回裏に4点を奪って逆転した。

見抜く力

海上の語る冷静さとは、日々をともにする教え子の力、才能を知ることから生まれるのではないか。

海上同じチームで一緒にスタッフとしてやって、そこで感じたことは、選手の性格把握が上手だし、早い。選手のタイプ、性格をつかむのがすごく早い人なんだなと思いました。

比嘉の見極めは、実際に大会のゲームプランにも生かされた。

本文残り65% (1488文字/2276文字)

古代の王国トロイを発見したシュリーマンにあこがれ、考古学者を目指して西洋史学科に入学するも、発掘現場の過酷な環境に耐えられないと自主判断し、早々と断念。
似ても似つかない仕事に就き、複数のプロ野球球団、アマ野球、宝塚歌劇団、映画などを担当。
トロイの 木馬発見! とまではいかなくても、いくつかの後世に残したい出来事に出会いました。それらを記事として書き残すことで、のちの人々が知ってくれたらありがたいな、と思う毎日です。