【離島ルポ・前編】裸の近本光司と沖永良部「みへでぃろ」の心 未開の地6年の絆

阪神近本光司外野手(31)が今年も鹿児島の離島・沖永良部島で自主トレを行っている。人口1万人町のこの島がなぜ彼を引きつけるのか。自然豊かなふるさとで、いきいきと生活する島の子どもたち。競技人口が減る離島の少年野球の現状とは。1月に島を訪れた記者が訪島ルポを前後編でつづる。

プロ野球



超一流プロが数十メートル先で自主トレ


1月 沖永良部島での自主トレを開始し大型ケージの中で打撃練習する阪神近本

1月 沖永良部島での自主トレを開始し大型ケージの中で打撃練習する阪神近本


伸び切って、こうべを垂れたさとうきびの穂先をかすめて、彼らは曲がりくねった狭い小道を全力で駆け上がっていく。

監督のハッパに反応して、中学生特有の元気な声が響く。女子選手も交じっている。

「いっくぞ~!」「おっしゃ~!」

普段から練習する城ケ丘中のグラウンドの脇。普段は、もう少し離れた場所で走り込みを行う。

この日はルートを少し変えて、坂のたもとからスタートした。急カーブを含む走路となってしまったが、それすらも楽しむようなハイテンションで走り抜ける。

ルートを変えたのには理由があった。数十メートル先に、超一流のプロ野球選手がいるから。阪神近本光司が、中学グラウンドと同じ敷地内の町内広場で自主トレを行っている。

自主トレでロングティー打撃を行う近本

自主トレでロングティー打撃を行う近本


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1977年6月生まれ、長野市出身。2003年入社。
約20年の取材歴の大半が野球担当。記者としては阪神、広島、オリックス、中日、高校野球などを歴任。現在は大阪を拠点に阪神担当を務める。
取材で意識していることは「見えないものを見る」。アスリートの魅力、競技の奥深さを広い世代に届けたい。 趣味は旅行、料理、立ち飲み、お笑い、ドラマ、ウオーキング。喫緊の課題は高血圧。