山崎邦正20年から月亭方正20年へ 師匠八方に導かれ 道標は爆笑王の桂枝雀さん

テレビタレント山崎邦正は、上方落語家の月亭方正として、完全に生まれ変わりました。華やかなテレビの世界で活躍しているようでも、内面では苦悩していた30代。新たな道を模索するうちに出合った落語と、素人同然だった方正を全面的にサポートしてくれた師匠の月亭八方。大阪、東京、名古屋での独演会で、方正はこれまで積み上げた成果を披露します。

お笑い

撮影・上山淳一

撮影・上山淳一

◆月亭方正(つきてい・ほうせい)1968年(昭43)2月15日、兵庫県出身。NSC(吉本総合芸能学院)6期。お笑いコンビ「TEAM―0」で89年、東京へ。日本テレビ「ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!」で人気者に。91年、ABC新人お笑いグランプリ最優秀新人賞。93年、コンビ解散しピン芸人として活動。「へたれ」「すべり芸」キャラが定着する。2008年、落語家への転身を決意。同年5月、月亭八方に入門し「月亭方正」の高座名を認められる。八方の勉強会で経験を重ね、同年12月、落語家として初舞台。09年12月、上方落語協会会員に。12年9月、活動拠点を大阪に移し、13年には芸名を山崎邦正から月亭方正に変更。18年5月、NGKで「10周年独演会」開催した。趣味はパソコン、英会話、卓球。身長166センチ。

40歳落語家転身15周年ツアー 5・10NGKから

40歳で落語家に転身して15年。その節目を飾る「噺家生活15周年記念 月亭方正独演会」が5月、幕を開ける。

「お笑いの吉本」の総本山、大阪・なんばグランド花月(NGK)で5月10日に開催されるのを第1弾に、5月31日の東京公演(渋谷区文化総合センター大和田 伝承ホール)、6月3日の名古屋公演(日本特殊陶業市民会館ビレッジホール)と続く。NGK公演では師匠・月亭八方(76)がゲスト。

20代、30代とダウンタウンのテレビ番組で人気を得た方正が、八方に弟子入りしたのは40歳の時だった。

テレビ出演で顔は広く知られていたが、営業先のトークで客席から笑いを取ることに苦戦。「自分には何もない」と悩んでいた時に出合ったのが落語だった。

方正落語のことは何も知らないまま、最初に桂枝雀師匠のDVDを見たんです。東野幸治さんに「行き詰まったんなら、落語を聞いてみたら?」と言われたのがきっかけでした。

わらをもつかむ思いで、最初に聞いたネタが「つぼ算」でしたが、第一印象は「???」でした。次に聞いたのが「高津の富」で、今度はマクラから引き込まれたんです。「おもろいやん」と、次から次へと枝雀師匠の落語を聞きました。

テレビ界「報われるものない」仕事がストレスに

テレビの世界では「山崎邦正」として20年、キャリアを積んできた。急な出演依頼にも対応できるほどの自信もあったが、内心では苦しんでいた。ため息をつきながら「しんどいけれど、それが人生なんや」と言い聞かせてきた。

方正20年ひとつの世界で継続するのはすごいことやと思います。でも、テレビでは報われるものがなかったんです。

仕事に行くのがストレスになっていた。テレビ局を出たら、パーッと遊んで発散して何とかやってきたんです。曲がり角に来て「落語の世界に行きたい」と、八方師匠にお願いしました。

最初は八方主宰の勉強会に顔を出しては「ネタを覚えてきました。聞いてもらえますか」と、ネタをひとつ演じては、また次のネタを覚えていた。その姿が本気だと見た八方は「月亭方正」の名前を与える。山崎邦正の人生が新たなページに移った。

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エンタメ

三宅敏Satoshi Miyake

Osaka

大阪市生まれ。1981年に日刊スポーツ入社。
主に芸能ニュース、社会ニュースの記者・デスクを務める。
2011年に早期退職制度で退社。その後は遊んで暮らしていたが、2022年から記者として復帰。吉本のお笑い芸人などを取材している。
好きなものは猫、サッカー、麻雀、ゴルフ。身長171センチ。