宇野昌磨がもつ「オンオフの能力」はチャーチルにも通じる成功の源…デニスに聞いた

2022年欧州選手権銅メダリストで4年後のミラノ・コルティナダンペッツォ五輪を目指すデニス・バシリエフス(23=ラトビア)がGPシリーズ第2戦スケートカナダのエキシビションの前にインタビューに応じてくれました。今季のプログラムの解説、拠点のスイスで練習を共にしている宇野昌磨のすごさ、日本のファンへのメッセージまで。

フィギュア

〈GPシリーズ第2戦スケートカナダより〉

エキシビション前、インタビューに答えるバシリエフス

エキシビション前、インタビューに答えるバシリエフス

【スケートカナダ男子シングル成績】


順位選手SPフリー合計
1宇野昌磨89.98183.17273.15
2三浦佳生94.06171.23265.29
3マッテオ・リッツォ81.18169.85251.03
4キーガン・メッシング79.69171.03250.72
5カムデン・プルキネン75.07143.99219.06
6ルーカス・ブリッチギー64.35148.08212.43
7スティーブン・ゴゴレフ57.94152.70210.64
8ジミー・マー61.73144.66206.39
9アレキサンドル・セレフコ60.37145.74206.11
10デニス・バシリエフス69.01128.44197.45
11コンラッド・オーゼル69.69125.73195.42

宇野昌磨と島田高志郎のリンクメイト、バシリエフスにインタビュー

――今季の2つのプログラムについて教えてください

バシリエフス 今年のショートプログラム(SP)は、「Englishman in New York」(Sting)で、とてもグルーヴィーで、とても優しい作品で、とてもポジティブな精神を持っていると思います。内なる自信からくる前向きな気持ち、自由に自分のやりたいことをやるんだ、そんな内心を表現してます。

フリーですが、振り付けはステファンコーチがしてくれています。ドボルザーク「新世界」の交響曲第9番ですね。

ドボルザークはとても鉄道が好きだったそうです。この曲も蒸気機関車が疾走する姿を感じさせます。人類史に初めて登場し、私たちの生活を変えたのですが、そこに何か少し厳しい面も感じ取るというか。産業化のけたたましさ、みたいなものですね。

ですが、同時に、対照的な自然との調和を目指す、バランスへの意志もこの曲は持っているように感じます。このプログラムはその2つの側面の間での興味深い演目となってて、それぞれ違う表現というものが必要になってきますね。

――完成度はどれぐらいですか

バシリエフス まだまだ低いですね。今回の(スケートカナダでの)演技を振り返ると、もっともっと成長する必要があると思います。いまは30%くらいかな。まだ自由に滑れる自信もないので。たぶん、それが足りないから“人形的”な演技になってて、ミスにつながってるのかなと思っています。

エキシビションで演技するバシリエフス(ロイター)

エキシビションで演技するバシリエフス(ロイター)

――スタミナ面での問題ですか?

バシリエフス いえ体力的なことではないです。本当に元気で、トレーニングもいい準備ができたと思います。ただ、精神的な面でいえば、良いパフォーマンスや新しいトレーニングを積み重ねることで、それがもっと自動的に、より確かなものになると思っています。今はまだ、それを「しよう」としている段階ですね。

――今シーズンの目標について聞かせください

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スポーツ

阿部健吾Kengo Abe

2008年入社後にスポーツ部(野球以外を担当します)に配属されて15年目。異動ゼロは社内でも珍種です。
どっこい、多様な競技を取材してきた強みを生かし、選手のすごみを横断的に、“特種”な記事を書きたいと奮闘してます。
ツイッターは@KengoAbe_nikkan。二児の父です。