【渡辺倫果の言葉】心の中で号泣…ただ泣いたら化粧が崩れてしまうので/八戸国体

4大陸選手権(2月、米国)、世界選手権(3月、さいたまスーパーアリーナ)の代表に決まっている渡辺倫果。地元青森代表として感謝の気持ちで臨んだ国民体育大会で、勢いを取り戻しました。グランプリ(GP)シリーズ初出場初優勝、ファイナルまで駆け上がった今季前半から、全日本選手権では12位と苦しみました。悩んだ1カ月間。フリーではトリプルアクセル(3回転半)を決めて“自己ベストの”148・49点をマークし、再びの世界舞台へ弾みとしました。

フィギュア

〈八戸国体 成年女子シングル:2位 都道府県対抗:4位〉

国体成年女子シングル上位成績


順位選手SPフリー合計
1坂本花織81.50157.13238.63
2渡辺倫果60.14148.49208.63
3三原舞依77.10130.01207.11
4山下真瑚70.01123.18193.19
5住吉りをん68.13122.52190.65
6江川マリア58.67123.25181.92
7三宅咲綺62.96117.19180.15
8横井ゆは菜55.12122.77177.89

■渡辺倫果 国体フォトコレクション■

表彰式後に、記念撮影する渡辺(左)と三原

表彰式後に、記念撮影する渡辺(左)と三原

「兵庫がチート級なので、入賞できればいいねって」/SPを終えて

――演技を振り返って

渡辺 マスクをずっとつけた状態で、4大陸に向けてやってるんですけど、演技自体そのものは悪くなかったんじゃないかなと思います。足にきた印象はなかったですし、今日の練習から体力面で、初めて自信を持ったのかなというのはあるので。残りの失敗したジャンプ自体も、失敗の仕方自体が全日本(選手権)と同じだったので、6分間(練習)がよくて試合ができないというのがちょっとネックといいますか。まだ自信持ってやるべきなんじゃないかなという風には思うので。出発まであと1週間なので、あまりここにも合わせすぎず、ちゃんと合わせていって、明日の演技自体は今日の反省点を踏まえてやれればいいんじゃないかなと思います。

――3回転半について。6分間練習ではよかったと思いますが現状の精度は

渡辺 そもそも練習から実は全然調子はよくはなかったんです。現地入りして、今日初めてやってみて、久しぶりにアクセルも降りた感じだったので。練習自体が本番に出る人ではあるので、いくら練習ではアクセルを失敗しても、残り2本は決めるという練習はしていたんですけど。そこは練習不足ということで、10日後になるかな、合わせていければいいと思いますし、今日見えた反省点もたくさんあるので、それも踏まえてできればいいんじゃないかなと思います。

成年女子SPで演技後、笑顔を見せる渡辺

成年女子SPで演技後、笑顔を見せる渡辺

――フリーに向けて

渡辺 完全に構成、ジャンプ、スピンの配置を変えているので、それの練習も含めて、フリーはどうなるか分かりませんけど、ぼちぼちいければいいんじゃないかなと思っています。

――フリーの構成は後半を変えたのか

渡辺 前半からがっつり変えていて、アクセルをやって、ループ-トー先にいって、ルッツ-アクセルないしはルッツ単発やって、フリップやって、ステップコレオをやって、後半がルッツないしはアクセルやって、アクセル-オイラー-サルコーをやって、そのまんまループにいってスピンっていう構成に変えたので。その変えた構成で試合をやるのは初めてなので、それを踏まえて明日どうなるかわかりませんけど、今日の反省点を生かせるようにできればいいんじゃないかなと思います。

――変えた理由は

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スポーツ

阿部健吾Kengo Abe

2008年入社後にスポーツ部(野球以外を担当します)に配属されて15年目。異動ゼロは社内でも珍種です。
どっこい、多様な競技を取材してきた強みを生かし、選手のすごみを横断的に、“特種”な記事を書きたいと奮闘してます。
ツイッターは@KengoAbe_nikkan。二児の父です。