【三原舞依の言葉】夜の1人反省会「悔しさを感じることも、1つの幸せ」折れない心

6年ぶりに世界舞台に帰ってきた三原舞依(23=シスメックス)の胸に去来したものとは―。ショートプログラム(SP)3位、フリー6位、合計5位。今季は1カ月間に日本と欧州を3往復するなどフル稼働し、今大会が12戦目でした。試合に出る喜びを感じ続け、迎えた大一番。結果には悔しさが募りましたが、来季以降への誓いを力強く立てました。

フィギュア

〈世界選手権〉SPからフリー、一夜明け会見まで心境たっぷり

三原舞依の世界選手権ギャラリー

【女子シングル上位成績】


順位名前SPフリー合計
優勝坂本花織79.24145.37224.61
2イ・ヘイン73.62147.32220.94
3ルナ・ヘンドリックス71.94138.48210.42
4イザボー・レビト73.03134.62207.65
5三原舞依73.46132.24205.70
6キム・チェヨン64.06139.45203.51
7ニコル・ショット67.29130.47197.76
8キミー・レポンド62.75131.34194.09
9ニーナ・ペトロキナ68.00125.49193.49
10渡辺倫果60.90131.91192.81
3月22日女子SP演技前、スタンドからの声援に目を潤ませる三原

3月22日女子SP演技前、スタンドからの声援に目を潤ませる三原

「今日が一番心を込めきれた」/SPより

――涙もありました。振り返って

三原 今シーズンの中でびっくりするぐらい1番緊張していたので、最後まで滑られるかなという不安との戦いでもあったんですけど、観客席にたくさんのお客さん、声援がすごくて、本当に背中を押してくださった。お客様の前で滑られることに感謝しながら、楽しく滑られたかなと思います。

――自分らしさ出せましたか

三原 ショートで今まで「人生すべてを込めて滑ってね」と言っていただいた時から、何回も何回も滑ってきて、今日が一番心をマックスで込めきれたかな。最後、すごくウルウルしながら、感謝の思いを込めました。

――楽しめましたか

三原 ちょっと緊張の方が勝っていたので、フリーではしっかりと最後決められるように。

――フリーではどんな滑りを見せたいですか

三原 フリーでも今まで見つけてきた課題を全部克服したパーフェクトなフリーをしたいので、情熱度がもっと高くなれるように、力強いところは力強く、目力も含めて、優しいところは優しく、プログラムの中で強い女性を演じきれたなと思います。

女子SP演技前、中野コーチ(右)に気合を入れてもらいリンクへ向かう三原

女子SP演技前、中野コーチ(右)に気合を入れてもらいリンクへ向かう三原

「人生をかけたプログラムに出合った」

――観衆の声を聞いて

三原 本当にグッと背中を押していただいて、いい緊張感で入れました。最後のポーズでぐらっとならないように「止まって!」と思って、ガッツポーズしました。手の表現を曲に合わせてっていうところから、すごくお客様が盛り上げてくださっているのが伝わって、私ももっといいステップを踏んで盛り上げられたらなと思いました。

――あらためてSPの使用曲「戦場のメリークリスマス」について

三原 この曲は一度使ってみたい曲リストに入っていた曲。選んでいただいて、デイビッド(・ウイルソン)さんとの振付けができあがって、私の人生をかけたプログラムに出合った。結果を残してくることができてきた人だと思うので、今シーズン成長できた部分はたくさんあると思います。

――世界選手権にはどんな思いがありますか

三原 朝に公式練習が終わって自分の部屋に帰って、ストレッチしながら考えていたんですけど、「世界選手権か、ワールドだ」と。なんかすごく不思議な感じで、出れることに感謝いっぱいで、日本のファンの皆さんの前でできるということ自体が何よりもうれしくて、ここの会場にくるのもすごく楽しみでわくわくしていた。同じくらい緊張もあったので、滑ってみたら「すごいな」と改めて思いました。

本文残り78% (4827文字/6216文字)

スポーツ

阿部健吾Kengo Abe

2008年入社後にスポーツ部(野球以外を担当します)に配属されて15年目。異動ゼロは社内でも珍種です。
どっこい、多様な競技を取材してきた強みを生かし、選手のすごみを横断的に、“特種”な記事を書きたいと奮闘してます。
ツイッターは@KengoAbe_nikkan。二児の父です。