かなだい 決断の経緯から第2章まで、語り尽くした1万3000字引退会見完全版

フィギュアスケートのアイスダンスで、今季の全日本選手権優勝や世界選手権11位(日本勢最高タイ)の成績を残した「かなだい」こと村元哉中(30)高橋大輔(37)組(関大KFSC)が2日、都内ホテルで引退会見を開きました。「フランクに、いつも通りにやりたいです」と2人が希望し、着席ではなく囲み形式で行われた質疑応答は約1時間、文字数にして1万3千字超えの言葉に。決断の理由、互いの魅力、今後のこと、ファンへの感謝-。2人の気持ちが伝わるやりとりを余す事無くお届けします。

フィギュア

「新たなスタートがここから始まるんだなって」

高橋 本日はお忙しい中、お集まりいただき、ありがとうございます。村元哉中、高橋大輔は、今シーズンを持って競技会から引退することを決断いたしました。本日はよろしくお願いいたします。

村元 本日はお忙しい中、お集まりいただき、ありがとうございます。3シーズン目を終えて、本当にいろんなことを経験し、アイスダンス現役生活、競技から引退することを決断いたしました。本日はよろしくお願いします。

――競技生活大変お疲れさまでした。引退報告から一夜が明けましたけれども、現在の気持ちをお聞かせください

村元 やっと世界に言えたので、少しスッキリしているんではないんですけど。もう秘密にはしなくてよくて。一夜明けてまだ実感はないんですけど、ついに競技生活を終えたんだなっていうのは今感じています。

高橋 本当に今後どうしていくのかって聞いてくださる方が結構いらっしゃるので、ちょっと言えなかった手前、発表できて、自分的にもすごくスッキリしてますし。発表から1日たって、僕自身としては、また新たなスタートがここから始まるんだなって考えてます。

――決断の理由と、いつから2人で話し合いもされていたのかを教えてください

高橋 引退するっていうことを伝えたのは、僕からの方で。それを伝えた時期なんですけど、皆様にはすごい大変申し訳ないことをしたんですけど、実は4大陸選手権の後に、哉中ちゃんの方にお伝えして。今シーズンの世界選手権の時にはもう引退をするということが2人の中で実は決まっていて。ただ、そこまで、そういった引退をするとかっていう、そういう気持ちで自分たちも世界選手権に挑みたくなくって。いつも通りの形で挑みたいなっていったところから、発表することは世界選手権終わってからにしようというところではあったんですけど。その後にね、国別対抗戦の前には発表しようかなと思ったんですけど、色々やっていくうちにタイミングを逃してしまい。結果、国別対抗戦でもお伝えする事ができず、昨日発表するという形になってしまったんで。記者の皆さまには、申し訳ないことを。謝らせていただきます。

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スポーツ

阿部健吾Kengo Abe

2008年入社後にスポーツ部(野球以外を担当します)に配属されて15年目。異動ゼロは社内でも珍種です。
どっこい、多様な競技を取材してきた強みを生かし、選手のすごみを横断的に、“特種”な記事を書きたいと奮闘してます。
ツイッターは@KengoAbe_nikkan。二児の父です。