【鍵山優真インタビュー】弾む言葉から伝わる復活手応え ガッツ飛び出た半年ぶり4F

フィギュアスケート男子で、北京五輪銀メダルの鍵山優真(20=オリエンタルバイオ/中京大)が6月15日、福岡市のオーヴィジョンアイスアリーナ福岡で練習を公開しました。報道陣の前で成功したのは半年ぶりの4回転フリップ。左足首の故障で、今季は苦しい時間を送ってきましたが、復活をかける来季へと大きな手応えを得ました。福岡は5年ぶりで、SNSでつながっていた米シカゴに暮らす17歳の篠原泰良からのお願いを快諾しての合同練習でもありました。練習後のインタビューをお届けします。

フィギュア

福岡県内で練習を公開、父正和さん(右)と言葉をかわす鍵山

福岡県内で練習を公開、父正和さん(右)と言葉をかわす鍵山

福岡合同練習、父の「そろそろ」で「なんか跳べちゃった」

――今日の自身の状態、氷に乗った感じ、滑り具合といったところ、いかがでした?

鍵山 全体的には、いい流れでジャンプは跳べたと思います。プログラムもまだ、全通しだと少し体力がなくて、まだパートごとに分けて練習してるんですけど、部分部分のクオリティーが少しずつ上がってきたので、あとはしっかり4回転とか、トリプルアクセルとかジャンプ入れて、体力つけていけば、シーズンしっかり準備できるんじゃないかなって思ってます。

――4回転フリップはびっくりしました。どのあたりから意識し、やろうと思ったのですか。

鍵山 そもそも、今日やるつもりなくて。でも、父が「そろそろ」と。「そろそろ」といっても今日のことじゃないんですけど、「4回転、もう1種類やっときたいね」っていう話もしてたので。だったら、やるならフリップかなってずっと考えてたので。トリプルやってる感じだと、すごくいい感じ、いい浮き上がりに跳べてるので、もしかしたら1発やったら、ある程度のところまでいけるんじゃないかなと思って、今日お試しで。転んでもいいからやってみようかなと思ったら、なんか跳べちゃったので。これを継続していけば、安定はすると思いますけど、まあ、そんなに、なんだろう、逆に今日降りて、明日すごく細かいこと意識し始めると、結構崩れたりとかしがちなので。今日の気持ちを忘れずに、少しずつ、レベルアップしていけたらいいなって思ってます。

大きな振りで踊る鍵山

大きな振りで踊る鍵山

――ガッツポーズ取り出して、ハイタッチも出て、盛りだくさんでしたね。

鍵山 誰も降りるだなんて思ってなかったので、僕自身ですら降りるだ思ってなかったので。意識的に降りたというよりかは、気づいたら降りてたっていう感じだったんですけど。でも力の抜き具合とかは意識してやってたので、そこを忘れずに、3回転と同じ感覚で1回転増やすだけだと思うので、そこをしっかりと意識して、明日から、やるか分からないですけど、でも今日せっかく降りたので、これを毎日できるように頑張りたいなと思ってます。

――4回転フリップはいつ以来ですか。

鍵山 (昨年末の)全日本選手権の前に1回練習はしてたんですけど、それ以来やってなくて。2月後半から復帰し始めたんですけど、そこから復帰してから初めて挑戦しました。(全日本前は)1発だけやってましたね。でも全然安定しなくて、結局試合では入れることはできなかったんですけど。トリプルやってる感じが1番フリップがいい感触だったので、3回転やってる時に。なので、フリップならすごくいけるんじゃないかなとはずっと思ってます。

――去年を含めても今日のフリップは会心の出来では。

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スポーツ

阿部健吾Kengo Abe

2008年入社後にスポーツ部(野球以外を担当します)に配属されて15年目。異動ゼロは社内でも珍種です。
どっこい、多様な競技を取材してきた強みを生かし、選手のすごみを横断的に、“特種”な記事を書きたいと奮闘してます。
ツイッターは@KengoAbe_nikkan。二児の父です。