
【小菊昭雄のC大阪を追う〈4〉】叩き上げかエリートか、滝川二魂ほとばしる同門対決
セレッソ大阪を指揮する小菊昭雄(47)は、神戸を率いる吉田孝行(46)に対し「青春時代に苦楽をともにした仲間」という。6位C大阪は6月10日、首位神戸との上位対決に臨む。吉田は、小菊が高校サッカーの名門・滝川二時代の1学年差の後輩。出会ってから約32年、2人はわずか18席しかないJ1クラブの監督になり、同門の先輩後輩としてJリーグで運命の初対決を迎える。(敬称略)
サッカー
〈プロ選手経験のないJ1指揮官の挑戦〉
1学年下、吉田孝行率いる神戸との一戦を前に
全34試合で争うリーグ戦は、C大阪にとって神戸戦が折り返し地点。優勝を争う上位対決であり、神戸を今夏で退団するイニエスタのカウントダウンも始まっている。同時に今回、同門の両監督による初対決という特別な話題がある。
C大阪小菊と神戸吉田の両監督は、神戸市西区にある名門私立高校、滝川二の出身だ。入学は小菊が91年、吉田が92年と1学年差。ともに兵庫県出身で、互いに「孝行」「小菊さん」と呼び合い、親交は32年以上に及ぶ。
後輩との初対決へ意気込みを聞くと、小菊の声のトーンが明らかに上がった。
「2人で上位対決ができるのは、本当に幸せなこと。孝行とは高校の先輩後輩というより、青春時代に苦楽をともにした仲間。高校時代を振り返った時に、まさか監督同士で試合ができるなんて、これっぽっちも思っていなかった。不思議な縁を感じます」
滝川二では当時、トップ下の小菊が、中田英寿らとU-17世界選手権にも出場したエースの吉田にパスも配球し、県内の宿敵・神戸弘陵としのぎを削った。
「孝行は順調にU-17日本代表に選ばれて、プロになって、あれだけの結果残して、神戸のレジェンドになった。彼が努力してきたたまものだと思う」
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大阪府池田市生まれ。1991年入社。
93年Jリーグ発足時からサッカー担当で、当時担当していた出世頭は日本代表監督になった広島MF森保一。アジアの大砲こと広島FW高木琢也の当時生まれた長男(利弥)を記者は抱っこしたが、その赤ちゃんがJ3愛媛のDFで今秋30歳に。
96年アトランタ五輪、98年W杯フランス大会などの取材を経て約13年のデスクワークに。19年から再びサッカーの現場へ。
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