【バレー連載〈2〉】金蘭会中 日本一への第1歩~林琴奈の夢に出てきたサーブミス
バレーボール女子日本代表の林琴奈は金蘭会中学時代、全日本中学選手権大会で初優勝をつかんだ。宮部藍梨が卒業し、2年に中川つかさ、1年に愛芽世(あめぜ)がいた代だった。現部員たちは全日本で活躍するOGに憧れ、先輩ですら成し遂げられなかった5連覇の偉業に挑もうとしている。(敬称略)
バレーボール
【バレー金蘭会中学連載〈2〉】
石川真佑との再戦
14年に初の日本一
〈プロローグ〉
「林が言っていたんですよ。
中学時代の練習はとにかく細かくて、とても厳しかったって」
金蘭会中バレー部監督の佐藤芳子は、10年前を思い出していた。
学校を休みがちだった宮部藍梨が欠かさず練習に来るようになると、どんどんチームは強くなっていった。
宮部が中3の夏。全日本中学選手権大会で、初めてセンターコートに立つ。
まだ試合中だというのに、彼女が流した涙。
相手コートには裾花中(長野)の1年生エース、石川真佑がいた。
その涙を見た時、佐藤は「勝てない」と察したという。
1学年下の林が3年になると初の日本一に向け、練習はさらに厳しくなった。
「平日の練習は授業が終わって3時40分から7時半まででした。今は基本的に7時には終わらせていますけど、あの頃は納得がいかなければ延長していた。
遠征の回数も圧倒的に違う。練習試合は今の2倍から3倍。試合の内容が悪ければ、帰ってからまたやっていました」
時間を極力減らし、映像などを使って合理的なトレーニングをするようになったのは、2014年に初優勝した後からだった。
全日本で中心選手になった林琴奈は中学時代、そんな厳しい環境で育った選手だった。
【会員限定ページ】今夏の全日本中学選手権大会で前人未到の5連覇を目指す金蘭会中の全メンバー、歴代メンバーと成績を掲載しています!
本文残り81% (4232文字/5198文字)

茨城県日立市生まれ。京都産業大から2000年大阪本社に入社。
3年間の整理部(内勤)生活を経て2003年にプロ野球阪神タイガース担当。記者1年目で星野阪神の18年ぶりリーグ制覇の現場に居合わせた。
2004年からサッカーとラグビーを担当。サッカーの日本代表担当として本田圭佑、香川真司、大久保嘉人らを長く追いかけ、W杯は2010年南アフリカ大会、2014年ブラジル大会、ラグビーW杯はカーワンジャパンの2011年ニュージーランド大会を現地で取材。2017年からゴルフ担当で渋野日向子、河本結と力(りき)の姉弟はアマチュアの頃から取材した。2019年末から報道部デスク。
大久保嘉人氏の自伝「情熱を貫く」(朝日新聞出版)を編集協力、著書に「伏見工業伝説」(文芸春秋)がある。