【春高バレー連載〈1〉】就実コロナ禍で奪われた3連覇、1年前の真実…PCR検査は陰性だった
1年前、彼女たちは体育館の外にいた。もうすぐ大会の初戦が始まろうとしていた。2023年1月、バレーボールの高校選手権大会(春高バレー)女子で3連覇を目指した岡山の就実高校はまさかの棄権。コロナ禍に振り回され、会場に入ることなく大会を去った不運のチームの「今」を描く。春高バレー(1月4日開幕)連載の第1回。大舞台に立てなかった卒業生の思いも背負い、日本一への道のりが幕を開ける。(敬称略)
バレーボール
~3連覇を目指し努力を重ねてきた選手たち~
【就実高校・2022年度の3年生メンバー】
岩本沙希、高濱日菜穂、光森彩未、岡田愛菜、田中結姫、川田萌寧、安倍美咲、大沢京香、森岡春日、椛島結菜
今、明かされる真相
就実高校を訪ねたのは、2023年12月のクリスマス前だった。
体育館に入ると、片隅にあった古い電気ストーブを出してスイッチを入れてくれた。
「ここは、寒くなるんですよ」
そう言って、監督の西畑美希は辺りを見渡した。
そろそろ部員が集まってくる時間のようだ。
岡山に小雨が降った日。
練習前に時間をもらったインタビューは、すぐに予定の20分を過ぎた。
新聞に載っていた「就実 春高3連覇コロナで絶たれる」の記事。
あれから、もうすぐ1年がたとうとしていた。
あの日、チームに何が起きていたのか。
どうしても聞きたかった。
どんな時間を過ごし、どんな思いで再び春高の舞台に向かおうとしているのか。
取材は長引いた。
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茨城県日立市生まれ。京都産業大から2000年大阪本社に入社。
3年間の整理部(内勤)生活を経て2003年にプロ野球阪神タイガース担当。記者1年目で星野阪神の18年ぶりリーグ制覇の現場に居合わせた。
2004年からサッカーとラグビーを担当。サッカーの日本代表担当として本田圭佑、香川真司、大久保嘉人らを長く追いかけ、W杯は2010年南アフリカ大会、2014年ブラジル大会、ラグビーW杯はカーワンジャパンの2011年ニュージーランド大会を現地で取材。2017年からゴルフ担当で渋野日向子、河本結と力(りき)の姉弟はアマチュアの頃から取材した。2019年末から報道部デスク。
大久保嘉人氏の自伝「情熱を貫く」(朝日新聞出版)を編集協力、著書に「伏見工業伝説」(文芸春秋)がある。