【春高バレー連載〈3〉】金蘭会 才能ある選手が狙う4度目頂点…部員3人からの下剋上
「ゼロ」から始まったチームは全国の強豪になった。大阪の金蘭会高校で女子バレーボール部監督の池条義則は公立の南寝屋川高校を率いた当時、女子日本代表の中野由紀を育てた。2007年、請われて金蘭会に移ったが部員は3人ほど。そこから日本一へ導く。4度目の頂点へ-。スター候補生を支える人たちも追った。(敬称略)
バレーボール
〈金蘭会高校編〉
【過去10大会の全日本高校選手権(春高バレー)女子優勝、準優勝校】
| 優勝 | 準優勝 | |
| ☆13年度 | 九州文化学園 | 東九州龍谷 |
| ☆14年度 | 金蘭会 | 大阪国際滝井 |
| ☆15年度 | 下北沢成徳 | 八王子実践 |
| ☆16年度 | 下北沢成徳 | 就実 |
| ☆17年度 | 金蘭会 | 東九州龍谷 |
| ☆18年度 | 金蘭会 | 東九州龍谷 |
| ☆19年度 | 東九州龍谷 | 古川学園 |
| ☆20年度 | 就実 | 大阪国際滝井 |
| ☆21年度 | 就実 | 古川学園 |
| ☆22年度 | 古川学園 | 誠英 |
~金蘭会 写真ギャラリー~
上村&西村Wエース擁し
下北沢成徳の3冠阻止へ
真新しい校舎の5階に体育館はある。
ドアを開けると、選手たちのかけ声が響いていた。
高いブロックをかいくぐるようにスパイクを放つ。
狙いすましたサーブの練習。大会が間近に迫り、試合を想定したメニューが続いていた。
真剣な表情で監督の池条が見つめている。
時折、選手を集めて指示を出す。すると、その場の空気が引き締まっていく。
体育館の片隅で、大会にかける思いを聞いた。
「うちも3冠を取ったことがあるんやけどね。
あの時はプレッシャーがすごかった」
ほぼ休部状態のバレーボール部を率いて、全国制覇へと導くのである。
ラグビーなら「スクール☆ウォーズ」、野球なら昨年ヒットしたドラマ「下剋上球児」(TBS系)のようなものだろう。
それは、苦労を重ねながら頂点へと導いた人らしい言葉だった。
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茨城県日立市生まれ。京都産業大から2000年大阪本社に入社。
3年間の整理部(内勤)生活を経て2003年にプロ野球阪神タイガース担当。記者1年目で星野阪神の18年ぶりリーグ制覇の現場に居合わせた。
2004年からサッカーとラグビーを担当。サッカーの日本代表担当として本田圭佑、香川真司、大久保嘉人らを長く追いかけ、W杯は2010年南アフリカ大会、2014年ブラジル大会、ラグビーW杯はカーワンジャパンの2011年ニュージーランド大会を現地で取材。2017年からゴルフ担当で渋野日向子、河本結と力(りき)の姉弟はアマチュアの頃から取材した。2019年末から報道部デスク。
大久保嘉人氏の自伝「情熱を貫く」(朝日新聞出版)を編集協力、著書に「伏見工業伝説」(文芸春秋)がある。