女子ボートレーサーの魅力に迫る「ビューティフル・ボートレース」。今回は谷口佳蓮(20=香川)を紹介します。

今年プロ野球では01年生まれのロッテ佐々木朗希が完全試合を達成して、大きな話題になりました。ボートレースでも同じ01年生まれの谷口佳蓮がメキメキと頭角を現しています。養成所時代こそ勝率は伸び悩みましたが、デビュー後はコツコツと努力を積み重ねて、通算8勝をマーク。香川支部に新たなヒロイン誕生の予感です。


谷口佳蓮(2022年3月13日撮影)
谷口佳蓮(2022年3月13日撮影)

-ボートレーサーになったきっかけは

谷口佳蓮(以下谷口)

小学生の頃から両親と一緒にレース場(丸亀)に遊びに行っていて、かっこいいなと。選手になりたいと思いました。小学生の時の宿題にも将来の夢は“ボートレーサー”と書きました。

-学生時代の部活は

谷口 小学生の時は、兄(谷口知優)の影響で空手をやりながら、中学生から野球部にも入って掛け持ちしていました。高校ではラグビー部(7人制)に入りました。1回だけ大きなけがをしましたね(笑い)

-養成所時代の思い出は

谷口 受かってうれしかったし、頑張らないといけないと思ったけど、不安もありました。当時はまだ17歳だったから、1人でやっていけるのか不安の方が大きかったです。初期訓練とかハード過ぎて覚えていないですね。体力には自信があったけど、養成所の生活は1分1秒を争うので厳しかったです。

-デビューからこれまでを振り返って

谷口 兄を見ていたから厳しい世界とは思っていた。デビューしてからは、毎日がいっぱいいっぱいで悔しかった。ある先輩から、養成所時代の成績は関係ないからこれからだよ、と言われて、先輩がたくさん練習も付き合ってくれて、徐々に手応えをつかんでいきました。


師匠の森高一真(右)に指導を受ける
師匠の森高一真(右)に指導を受ける

-師匠の森高一真と出会って

谷口 去年のお盆レースで落水した時にエンジン整備を手伝ってくれて、その時に、ペラを持って来い、と言われて見てもらって。気にかけてくれて尊敬できるし、かっこいいと思いました。私からお願いして去年の9月から師匠になってもらって。それまで全く勝てなかったけど、8勝できました。

-休みの日の過ごし方

谷口 ジムに行って体を鍛えたり、音楽も聴きます。AAAとか、ロックバンドのスーパービーバーにはまってます。歌詞がいいんですよね。友達とショッピングにも行きますね。この前は同期の小林愛実と金比羅山にお参りに行きました。あと、小さい頃から通っている私のパワースポット的な存在の焼き肉屋さんにも、家族でよく行きます。そこで焼き肉を食べると、がんばろうってなるんですよ。


兄・知優(左)と休日を楽しむ
兄・知優(左)と休日を楽しむ

幼少期から通う焼き肉店の大将(左)と女将さん(右)
幼少期から通う焼き肉店の大将(左)と女将さん(右)

-香川支部の女子の先輩はどんな存在か

谷口 女子の先輩は記念を走っている方が多くて、一緒になることが少ない。みんな強いので意識はしますね。私も上のクラスで走りたい。デビュー初勝利を常滑でやったんですけど、その時、中村桃佳さんとあっせんが一緒で、「良かったね。これからだね」と言ってくれて。香川県に帰ってからお祝いをしてもらいました。目指したいのは平高奈菜さんです。豪快な旋回をするし、テクニックがすごい。ハンドルとか、舟の向け方、判断の早さが違い過ぎます。香川の先輩はみんな尊敬しているけど、その中でも平高さんはまねしたいです。

-最後にボートレースの魅力を教えて下さい

谷口 完全実力主義で、レースの迫力があるところですね。

※次回は6月14日更新予定

◆谷口佳蓮(たにぐち・かれん)2001年(平13)11月14日、愛媛県生まれ。香川支部。127期生として、20年11月に丸亀一般戦でデビュー。21年11月の常滑一般戦でデビュー初勝利。昨年の獲得賞金は569万3000円。今年は431万6000円(5月9日現在)。158センチ、47キロ。血液型A。