【大上悟・オレに任せろ】

 ◆12R:決勝

 ハイスピードバトルは負けられない。ナショナルチームで鍛え、進化するスーパーダッシュで新田祐大が寛仁親王牌を初制覇する。自力型4車の中部勢が長考を続けたが、新田はその結論を前に福島3車の先頭を決意。9月のG2共同通信社杯の決勝は渡辺一成に前を任せたが今回は違う。今年のG1・2冠に向けて自力勝負に迷いはない。

 波乱の準決11Rを圧勝で突破した。九州勢が前受けで、先頭を任された坂本亮馬が赤板で上昇した脇本雄太の番手で粘った。「坂本が前で粘る形になったので前に踏んだ」。赤板1センターすぎから仕掛けると、打鐘で先頭に立ち、そのままハイペースで逃げ切りを決めた。脇本の先行策や、九州勢の変化技も、新田の前では出る幕はなかった。

 普段からナショナルチームの日程を最優先する。今回も中0日での参戦だが、世界に挑戦する過程が間違っていないことを確信した。ブノワヘッドコーチから伝授されたトレーニングメニューをシリーズ中も忠実に実践する。「こんなことが今、必要? と思うこともすべて理由があって、ブノワの説明に納得させられる」。ブノワの流儀に従い、大舞台でも結果を出し続けている。

 最終決戦は渡辺-成田和也に前を託された。新田と渡辺はナショナルチームで圧倒的なスピードを誇り、あうんの呼吸で離れることはない。中部勢は、愛知勢と浅井康太が別線。深谷知広が吉田敏洋を連れて主導権を奪うが、新田がすかさずまくって福島ワンツーで締めくくる。3連単は(7)=(2)から(3)(6)(1)(9)。