【栗田文人・車券放浪記】

◆11R:準決 明らかに自分に腹を立てていた。郡司が準決で、怒りをパワーに変える。

初日の日競選理事長杯を制したこともあり、2日目ローズCは人気の一角になっていた。だが、中団から中団と回っただけで、何もできずに6着惨敗。レース後はぶぜんとした表情で会見場に姿を現した。

「うまく位置を取って仕掛けられれば良かったけど、位置は取れず、仕掛けられずで…。情けないレースでした。和田(健太郎)さんも付いてくれたのに、ファンの期待に応えられなかった」

今やS級S班の中でもトップ級の人気を誇り、ファンの信頼は絶大。この日のように見せ場をつくれずレースを終えることなど、まずない男だ。準決フリーパスということが、わずかな心の緩みを呼んだのだろう。

「アップの時は普通の感じだったけど、レースでは体が軽くて余裕があった。(6着という結果は)タイミングの問題というか、気持ちの面ですね。明日(準決)はしっかり取り返したい。決勝に乗りたい」

汚名返上を懸け、この日の分も神経を研ぎ澄まして臨んでくることは必至だ。

先行は新山だろう。中川は前を取ってから引く得意のパターンか。郡司は和田の1番車を生かして道中は好位を確保。位置取り厳しい古性が相手でも、最終的に新山の3番手だけは譲らない。あとは後方のまくりに合わせて先にスパートし、押し切るだけだ。

3連単は(5)-(1)(9)(2)(4)-(1)(9)(2)(4)(6)(7)。