87年世界選(ウィーン)のプロ・ケイリンで日本人として初優勝した本田晴美(51=岡山、A3)が6月の地元玉野F2を最後に、32年間の選手生活にピリオドを打つことが19日、分かった。ラストランとなる6月27日には、引退セレモニーが行われる予定。

 現在に至るまで五輪、世界選でケイリン種目の金メダルは本田だけ。「世界のホンダ」と異名を取った。83年4月にデビュー。自転車競技歴がない適性出身ながら、自力一本で同年にS級昇格。G1は84年9月の西宮オールスターから常連だった。「ターボまくり」と称されたまくりを武器に、80年代後半から90年代にトップクラスで活躍した。当時は現競輪学校校長の滝沢正光氏の全盛時代。唇に塩をまぶしてレースに挑む独特のスタイルで真っ向勝負を挑んだ。

 「家族とも話し合って4月後半に引退を決めました。G1を取れなかったことは悔いが残りますが、ファンの声援のおかげで頑張ることができました。今後のことはまだ、模索中です」。選手会岡山支部の支部長を6年間務め、弟子には石丸寛之、柏野智典、筒井敦史らがいる。その熱い魂は彼らに引き継がれる。

 ◆本田晴美(ほんだ・はるみ)1963年(昭38)11月12日、岡山県生まれ。競輪学校51期生の在校71位で83年4月名古屋デビュー。G1で活躍したが、98年一宮オールスターの決勝2着が最高の成績。G3(記念)優勝は26回。87年世界選プロ・ケイリンで優勝。12年10月玉野では通算500勝達成。178センチ、78キロ。血液型AB。