<注目選手(上)>

 連載「ROAD TO クラシック」の4回目は注目選手の1人目、東京支部からただ1人出場する前沢丈史(32)をクローズアップする。早くからレースセンスの良さを評価されていたが、デビュー13年目で初のSG出場を果たす。昨年優勝6回を積み上げた前沢の強さを探った。

 前沢は東京支部から唯一、クラシックに出場。昨年は6回優勝で勝ち星も大台の100勝に到達した。文句ない成績でのSG初出場だ。普段はクールだが「うれしいです」と笑みを浮かべた。

 今期までA1級を10期続ける。レースセンスの良さは認められても欲がない。それが周囲の評価だった。しかし、昨年2月に一念発起した。ペラのゲージを入れ替え、調整もあきらめずに突き詰めるようになった。「それまでは面倒だなと思って調整を妥協していた。自分がしっかりやらないと駄目だと思った」。

 そこから、乗りやすく仕上げられるようになり、1年間好調を持続した。「気持ちの部分が大きい。あらためてそう思いました」と自信に満ちた表情で話した。隣の埼玉支部ではエース桐生順平を筆頭に中田竜太らがSG戦線で活躍している。「それもいい刺激です」。初のSGでどこまでやれるか。期待は大だ。【中川純】

 ◆前沢丈史(まえざわ・たけし)1985年(昭60)10月9日、茨城県常陸太田市生まれ。97期生として05年11月多摩川でデビュー。同12月平和島で初勝利。初優勝は09年3月若松一般戦。今年2月江戸川の関東地区選手権でG1初優出。170センチ、51キロ。血液型AB。

※明日は「注目選手(下)」