武田豊樹(44=茨城)が平原康多のまくりに続いて、ゴール前きっちりと差し切った。原田研太朗を先頭に4人そろった地元四国勢は三谷竜生のイン粘りで空中分解。ガールズケイリンコレクションは、小林優香(24=福岡)が妹弟子の児玉碧衣をまくって優勝を飾った。

 盟友・平原に乗って武田が復活の優勝を果たした。これまで、数々の連係を決めてきたが、2日目毘沙門天賞も含め、最近は決まらないことも多かった。それが、大舞台でワンツーフィニッシュだ。武田は「平原君と決まったことがうれしい。調子が悪いときも、いいときも同じ気持ちで走ってきたから」と、素直に喜んだ。

 前回の優勝が16年9月の岐阜G3。それから563日。常勝・武田がこれほど優勝から遠ざかったことはない。昨年8月、いわき平オールスターで落車して骨盤骨折の重傷を負った。KEIRINグランプリ賞金を積み上げるために、完治しないまま競走に挑んだ。それから半年。ようやく自分の意思に体がついてくるようになった。「しっかり回復したし、レースでも余裕がある」。決勝は勝てる予感もあった。

 後輩の成長も頼もしい。この日、武田の胴上げに参加した後輩は7人。「これだけ茨城勢の若手に胴上げしてもらったのは初めて。脇本(雄太)、新田(祐大)、深谷(知広)君のように力で勝負できる選手になってほしい」とエールを送った。

 1月、和歌山G3の失格で5月のあっせんが止まる。次のビッグは岸和田高松宮記念杯だ。「反省して次のG1に向けて体作りをする。地区代表として若手の見本になれるよう、競輪を磨いていきたい」。今回のG2制覇を足がかりに、G1を奪いにいく。【村上正洋】