ウオーキング特集

シューズ選びで最も重要な点は

一番重要視したいのは、靴の「安定性」ですね。悪い動きをしないということ。人間は体のゆがみが必ずあります。
一方向の動きが重なるとゆがみが出てくるんです。ゆがみがある状態での歩行では本来の正しい状態ではなく足が使われてしまう。さらに長い距離を歩くとなると、悪い動きが繰り返される。歩行は弱い悪い動きが長時間繰り返されると蓄積型というか、あるレベルに至ると痛みになる。途中では自覚症状がないんです。お年寄りは痛みが取れづらいし、慢性的な疾患になることも考えられる。健康のためのウオーキングなので、大事なのは靴を安定性のあるものにすることです。

サイズ選びで大事なことは

どうしても一般的には、ゆとりを持ちすぎて大きめの靴を選びがちになる。すると靴の中で前へ突っ込んでしまう現象が起きます。結果小さい靴を履いているのと同じ状態になる。指のトラブルは多いんです。２、３センチ間違っても靴の真ん中に足が入っていればフィット感はあまり問題ないんです。でも指が使えなくなってしまう。専門家に見てもらうのが一番いいのですが、目安としては履いてみるしかない。
1. まず自分の足のサイズ、実測を測る。（足長・足幅）
2. そのサイズの靴を履いて歩いてみる。
あと、片足に体重をかけてもらって、いろんな靴を履いてください。サイズがあっていなければグラグラします。勝手に実測の数値より大きいサイズを選ぶことが多い。足幅のある方は大きいのを選びがちだが、最近はワイドモデルがあります。

重たい靴は歩きにくいと思われがちですが

安定性を求めると、靴はどうしても重くなる。軽いから楽というより、重くてしっかりした方がいいんですね。靴の重さを感じてしまう人はトボトボ歩きの人が多い。重い方が振り子のように正しい動きになるんです。きちんとしたサイズの靴を履くと「重いのに軽い」という感じになります。後は「つま先トントン、かかとトントン」で足が動いてしまうのはサイズが合っていないこと。ヒモをしっかりと締めてやりましょう。

個人の特徴にあったシューズ選びをしたい場合は

内側に傾いてしまう方、外側に傾いてしまう方がいる。ウイークポイント（クセ）の逆に選んでしまうのが怖いんです。お年寄りでうまく体を起こして歩けない方もグリップのきつい靴をはくと逆につまずいてしまう。かかとの外側から減っていくのは普通なんです。右と左が同じという人はいません。
自分の身体の動き（クセ）とシューズの特長を理解して選ばないといけません。これも専門家に見てもらうことをオススメします。

インソールの効果は

かかとが高くなったような気がするという方が多い。土踏まずがサポートされ〝寝ていたかかと〟が立つからです。もともと足の骨は三脚のようなつくりで安定しています。この三脚のつくりは衝撃吸収のためで、草原などのやわらかい地面を歩いていた時代のもの。現代の人はアスファルトの上を歩かなければならない。衝撃の吸収にも限界がありひざにも負担がかかる。インソールで安定させられれば、かかとが立って、靴の中の指も使えるようになる。正しい歩き方ができるようになるんですね。

シューズの履き方は

かかとを地面につけ、つま先をあげてひもを締める。足のかかとが、靴のかかとに合っていることが大事なんです。そして必ず靴べらを使いましょう。靴のかかとには、ヒールカウンターというパーツが入っている。曲げないよう、そのパーツを保護してあげるためです。脱ぐときは必ずヒモを緩めてからにした方がいいですね。

他にシューズで気をつけることは

防水性を気にする人が多い。靴によって素材の違いはありますが、最も大事なのは正しいサイズの靴を履くことです。足と靴に隙間があるから水が入ってしまいます。

ウオーキングには専門のシューズがいいのか

ランニングシューズで歩いている人が多いですね。軽くて走れるんですが、足にかかる負担が重くなる。走るのと歩くのでは着地の衝撃が違う。ウオーキングはジワッと体重がかかる繰り返しです。体重のかかり方が違う。
ランニングシューズに比べて、ウオーキングシューズはかかとや土踏まずの下のソール部分が曲がりにくくなっています。ウオーキングシューズと名前をつければ売れるため、いいかげんな作りのウオーキングシューズがたくさん売られているのが現状。正しい知識を持って、目的に合った靴を選びましょう。