3000メートル、5000メートルの日本記録保持者・大迫傑(26=ナイキ・オレゴンプロジェクト)が日本歴代5位となる2時間7分19秒をマークした。2度目のマラソン挑戦ながら、ハイペースなロンドン五輪金メダリストら海外勢と互角に戦い、日本勢最高の3位に入った。

 日本陸連が、大迫に男子マラソン復活の口火を切る役割を期待した。瀬古マラソン強化戦略プロジェクトリーダーは「100メートルの桐生(祥秀)君になってほしい。桐生君が出て、10秒を切る目標の選手が何人も出た。大迫君が活躍することで何人もがそれを目標にやってくれる」。大迫と同じ早大OBの瀬古リーダーは、14年1月の箱根駅伝で当時4年の大迫が1区5位と出遅れたことを引き合いに出して「3年前はカツを入れたが、今回は期待以上の走り。あっぱれをあげたい」と笑顔。尾県専務理事も「日本男子が世界から遠ざかったとみられる中で、大迫君がかなり距離を短くしてくれた」と口にした。

 五輪では92年バルセロナ銀メダル森下広一以降6大会連続でメダルなしの男子マラソンに現れた救世主。瀬古リーダーは「2時間6分16秒を切るのも時間の問題。来年は2時間5分台を出してほしい」と話した。