4連覇を達成した青学大の原晋監督(50)は、優勝会見の席上で「常日ごろ、私は本質を求めている。彼ら(学生)の指導もそうですし、強いチームだから言える陸上界、駅伝のあり方を言っている。旧態依然の流れの中で、嫌う方もいらっしゃいますけど」と切り出して、陸上界の改革を声を大にして訴えた。

 17年12月29日に都内で行われたエントリー発表でも、報道陣を前に、今大会から日本陸連の「競技会における広告および展示物に関する規定」にのっとり、手袋とハチマキに学校名、ロゴを入れることを制限する関東学生陸上競技連盟の決定を受け入れつつ、学校愛や競技の魅力を表す象徴を廃するとして「時代の流れに逆行している。駅伝界にとって不幸な出来事」と怒りをまじえて訴えた。

 優勝会見でも「陸上界を盛り上げたいんだと。ライバルは早稲田、駒沢、東洋、東海ではない…サッカー界、野球界なんだと。多くの若者に、箱根駅伝を通して長距離を志して欲しいという信念があるからこそ、さまざまな改革案をメッセージとして伝えている」と力説した。

 大会直前には、選手たちに「強くないと言えない。メッセージを伝えるため、俺に力をくれ、勝ってほしい」と訴えたという。原監督は「2日間、本当に頑張ってくれた。ありがとう」と選手たちに感謝した。

 監督就任10年目、部の100周年記念を箱根駅伝4連覇で飾ったが、自らの力だけで優勝したわけではないと強調した。「大変うれしく思います。私を信じて門をたたいてくれた選手、ご父兄、高校の指導者に感謝したい。大学からも強化で支援をいただいている。原だけの力では無理…多くの力で優勝できる」と関係各位に心から感謝した。【村上幸将】