4大会連続五輪出場の福士加代子(37)が途中棄権し、3月8日の名古屋ウィメンズでラストチャンスに懸ける選択をした。ハイペースに20キロ付近から徐々に表情が険しくなった。先頭の背中が遠ざかっていき、23キロ付近で「やめる」と発言。25キロ過ぎ、両手をクロスさせてペースダウン。「競技人生を懸ける」と挑んだが、無理せず余力を残してレースを打ち切った。

永山監督は「今の状態で後半は失速し、行けそうにないなと思ったから」と理解を示した。福士はラストチャンスとなる名古屋へ「今日よりも(ペースが)速い。でもやってみる」と気持ちを切り替えた。

昨年も12・6キロ付近で転倒し、35キロで棄権した。だが、同年3月の名古屋ウィメンズで2時間24分9秒で日本人2位となりMGC出場権を獲得した。この流れでいくと、次のレースに期待がかかる。陸上界初の5大会連続オリンピック(五輪)へ向け、再始動する。【南谷竜則】

◆東京五輪のマラソン代表選考 枠は男女3ずつ。昨年9月のMGCで男女2位までが代表に決まった。残り1枠は今年3月までの指定大会(MGCファイナルチャレンジ)で、日本陸連が設定した記録(男子=2時間5分49秒、女子=2時間22分22秒)を突破した最速の選手となる。該当者がいない場合はMGC3位が五輪切符を獲得。残るMGCファイナルチャレンジは3月で、男子が東京(1日)とびわ湖毎日(8日)、女子が名古屋ウィメンズ(8日)。