中学時代からのライバルが青森山田陸上競技部で共闘する。青森県中学総体の女子1500メートルで中2、3年時に2年連続1位の今絵里南と同2位の対馬千紘(ともに1年)が今春入部した。昨年12月の全国高校駅伝で過去最高タイの5位に入った同校だが、主力3人が卒業。青森陸上界のホープに大きな期待がかかる。

小学生時代の今は卓球部だった。小6で青森市内の学校の選抜選手が集う体育大会に「強制的に参加させられた(笑い)」。結果は800メートルに出場し優勝。「中学から始めたら卓球よりも伸びると思った」と陸上に転向した。中2の秋から青森山田の練習に参加。「県内で一番強い高校なので、レベルアップでき、先輩についていけば去年の5位以上を目指せる」。高校駅伝では「区間5位以上を狙いたい」と力を込めた。

全国都道府県対抗女子駅伝、東日本女子駅伝では対馬とともに青森県を背負った。「同学年で負けたくないし、中学からライバルで駅伝でも一緒に走ってきた仲なので、切磋琢磨(せっさたくま)したい」。日々の練習から高め合う。

対馬は仲間と一緒に走ることへの思いは誰よりも強い。「中学のときは切磋琢磨できる環境がなかった。全国レベルの選手と練習して、全国で通用する選手になりたい」。中学陸上部は長距離部門の選手が少なく、顧問からメニューをもらい、ほぼ1人で練習。「気持ちで負けてペースが落ちることもあった」。それでも県の中学総体で1500メートル1年の部で優勝、今には敗れたものの2、3年時も2位と結果を残した。

昨年度は青森代表で2つの駅伝に出場。「高校や大学の速い先輩と走れて楽しかった。全国舞台で自分のレベルの低さを知り『また練習頑張ろう』とモチベーションになった」。高校ではひたすら自分を磨く。

次世代を担う1年生コンビが、過去を超える原動力になる。【山田愛斗】

◆対馬千紘(つしま・ちひろ)2004年(平16)4月2日生まれ、弘前市出身。小4から陸上を始め小5で長距離競技専門に。津軽中を経て青森山田に今春入学。憧れは高橋尚子氏と同郷の福士加代子。家族は両親、姉、妹。

◆今絵里南(こん・えりな)2004年(平16)4月6日生まれ、青森市出身。青森北中1年時から陸上を始め、青森山田に今春入学。ランナーとしての持ち味は「粘り」。特技は卓球。家族は両親と姉2人(1人は双子の姉)。