途中棄権した名古屋ウィメンズマラソン(3月)以来のレースに臨んだ福士加代子(38=ワコール)が、目標のタイム切りに笑顔を見せた。
32分17秒65の3位で日本選手権(12月、大阪)の参加標準記録(32分25秒00)を突破。優勝は東京五輪女子マラソン代表の一山麻緒(23)で32分9秒31。2位には32分12秒24で安藤友香(26)が入り、ワコール勢が表彰台を独占した。
レース後の福士の一問一答は以下の通り。
-5000メートルを過ぎたところで先頭に立った。一山が驚いていた。
福士 私、あそこしか出れん。最後は無理なんよ。最初に稼ぐタイプなんよ。出なきゃ、私が(タイム)出なくなっちゃうんだもん。その危機感があったから「今、行かな!」みたいな、そういう変な勘がありますね。多分ここまでいって落ちて、ずるずるいっても、私、最後(ペースが)上がらない感じがした。
-自分に刺激を入れる意味でもあった
福士 これはもう「死ぬしかねえ」って思って。どっちにしても(目標タイムが)出るか出ないかギリギリのところで「もう、いけえ!」みたいな。「出なくても、もういいや!」ってなって「行っちゃえ!」と。前の2人(一山、安藤)は連戦で(ペースが)上がらなさそうだったし、こっちは連戦じゃねえし。
-名古屋以来のレースになった
福士 まあ、きつい。本当にきつい。トラックって調整の時はすごいいい感じで「私、走れるわ」って思うんですけど、痛い目にあいました。本当にビックリする。「やらねえとダメだな」って、あらためて実感しますよね。
-慣れが影響する
福士 スピード持久力とかがね。ない、ない、ない、ない。
-ラスト1周が速く感じた
福士 「ふ~ん!」っていう、それ(大きく走る)だけは最近覚えたので「これなら1秒ぐらい稼げる!」って思って。
-日本選手権の参加標準記録を意識したレース
福士 途中で監督が「(1周)78(秒)でいい」って言われて「ギリなんだけど」って思って、最後の1周になって「75秒でいいから!」って言われて「もうちょっと頑張らな!」ってね。「頼む、もうちょっと動いて」みたいな。キレがないので、今。もう必死。久しぶりにこんなに時計見て、最後のゴールまで走った気がする。「ラッキー!」みたいな。良かった。しばらくこれで休みます。(駅伝は走る予定だが)12月までね。
-東京五輪が延期になった
福士 ちょうどいいんじゃないですか、私にとってはね。トラックなので。これで記録を切ったので、12月に(日本選手権に)出て。
-東京五輪は
福士 見え隠れしている。(五輪自体が)「あるのか?」「ないのか?」「あるのか?」「ないのか?」っていうね。でもなくても準備するので「いいんじゃね?」って。うちの一山とかも、その先まで見ているので。24年(パリ五輪)まで見ているので、大してやること変わらないんじゃないですかね。
-名古屋の後の練習は
福士 ずっと寮でやっていて。密にならないようにして、自由にやっていました。
-スイッチ入れ始めたのは
福士 7月ぐらいから北海道合宿が始まって、そこから2~3カ月で、やっとここまで。だけど、全然ダメだね。今日走った感じ。
-中長距離界が好記録連発で盛り上がっている
福士 すごいよね。生きてんじゃん、私の記録みたいな(笑い)。「みんな、いいねえ」っていう感じです。