どーもです。連日紹介してきたテーラーメイド話題のニューモデル「ステルス」シリーズですが、今日紹介するアイアンがオオトリです。このアイアンはいわゆるストロングロフトアイアンですが、「SIM2 MAX」アイアンとほぼ変わらないロフト(#7で28.5度)なのにほぼ10y違う飛距離にビックリでした。「アイアンは狙うクラブ」なんてほざいていても、やっぱり飛ぶとちょっと興奮しちゃいますね。そんな興奮をおさえつつ、冷静にいってみましょう! 最後はボクなりの総括もしてみますので、お付き合い下さい。


まずは見た目から。


スッキリした見た目ですが、しっかりトウ・ヒール後方にボリュームがある形状になっているので、高慣性モーメントを意識していて、ミスヒットの寛容性も高そうに感じます。トウバックがカーボンになっていますが、これも大きな意味がありそうですね。それは後述しましょう!

フェースはセミラージ。ネック側のトップラインが高めなので、大きく見えますよね。また、リーディングエッジのラインがややラウンドしているように見えました。

ソールはフェースの大きさに対して適当ですが、ボクにとってはやや厚めかな。

ネックはグースネック。個人的には、曲がりすぎかなって。バックフェースで触れたトウ側のカーボン部分はこんな感じ。こんなに隙間が空いていていいのかなとも思いますが、トウ側までカーボンにすることで10gの余剰重量を生み出せたようです。

構えてみるとこんな感じ。明らかにロフトが立っていますよね。でも、トップブレードは厚めで、フトコロも深くボールをつかまえてくれそうな雰囲気はありますね。

今回試打したのは、オリジナルスチールシャフト「KBS MAX MT85 JP」Sフレックス装着モデルの#7。スペックは、ロフト角28度、ライ角63度、長さ37.25 インチ、総重量407g、バランスD2。シャフトスペックは、重量109g、トルク1.8、先中調子。

試打会場は東京・メトログリーン東陽町、ボールはブリヂストンゴルフのレンジ用2ピースボールです。


持ってみた感覚ですが、重量的にはやや軽め。グリップはボクが太め好きですが、それを差し引いても気持ち細めに感じたかな。ワッグルしてみると、ヘッドが適度に効いていて振り抜きが良さそう。素振りしてみるとヘッドがいい感じに返ってオートマチックにつかまりそうな雰囲気でしたが、フッカーのボクにとってはちょっと心配要素だったりしますw


実際に打ってみると、明らかにロフトが立ったモデルですが、「こんなに上がりやすいのねっ!!」って感じでした。昔の#5感覚ですが、これだけ上がってくれると、見た目の心配もなくなりますね。ゴルフ歴が長ければ長いほど不安を感じるようなロフトの立ち方ですが、実際に打ってみれば、それは解消されると思います。また、冒頭書いた通りのぶっ飛び性能ですね。いきなり191.6y!!!!!!ってね~!! これだけ球が上がって、飛んでくれたら、文句なしです。とはいえ、190yオーバーはこの1球だけでしたけど(汗)。でも、あとの全球も185yオーバーだったので、「SIM2 MAX」アイアンの3球平均174yを大きく上回る飛距離性能を体験できました!!


スカイトラックの弾道データはこんな感じで

その各球データはこんな感じ


【3球平均】

HS39.2m/s、初速50.1m/s、打ち出し角19.9度、バックスピン量3445.0rpm、サイドスピン-725.4rpm、飛距離188.4y

【ベスト】

HS39.0m/s、初速49.7m/s、打ち出し角20.1度、バックスピン量3181.5rpm、サイドスピン-411.3rpm、飛距離191.6y


打感は意外とマイルド。やや弾き感も感じますが、いわゆる軟鉄鍛造一体型のアイアンとなんら遜色のないマイルドさがあったように感じました。ただし、音が軟鉄鍛造よりもやや高めな分、弾き感を感じていたのかもしれません。


弾道はこんな感じで


そのスカイトラックデータはこちら


弾道的には高弾道ですが、ロフト角28度を考えれば、超高弾道でもいいかも。見た目でも明らかにスピン量が少なめの棒球が打てると思います。


出球傾向は、ボクのスイングでドロー系。つかまりも結構いい感じで、ちょっと右手でたたきにいくとフックも出ました。むしろカットイメージでほぼストレートでしたが、さすがにバックスピン量が増えていました。それでも、飛距離はあくまでもスカイトラックデータにはなりますが、2~3yほどの減。芯を外すよりも距離ロスは少ない印象でした。


シャフトフィーリングと振り感ですが、KBSはちょっと苦手かな。これはあくまでもボクの感覚ですが、スチールシャフトにしてはちょっとピンピンとした感じがあって、もう少しインパクトでボールを押してくれるような感覚が欲しいかな。あとスチールシャフトにしてはインパクトに向かって気持ちヘッドが走る感覚もあったかな。まあ、この動きがあの高弾道につながっているのでしょうけど、ボク的にはつかまりが気になっちゃいました。カーボンシャフトモデルを打てていませんが、あのレスキューの感じだったら、「カーボンの方が、相性がいいかも?」とか思ったりして…w


今回ボクが試打した限りでは、このスペックでHS40~42m/s辺りにオススメ。見た目は結構アスリートマインドをくすぐるモデルにも感じましたが、実際に打ってみると、オートマチック系アイアンでした。払い打ち系でもしっかり球が上がって、つかまりも結構いい感じなので、フェードヒッターやスライサーに良さそうですね。フッカーや真性ハードヒッターはダイナミックゴールドが合いそうかも! いずれにせよ、ぶっ飛びアイアンであることは間違いないと思います。


というわけで最後に総括ですが、恐らく「カーボン(という素材)だから飛ぶ」ことはないと思います。「カーボン(という素材)を使うことによって、軽量化ができ、それによって生まれた余剰重量の再配分化の幅が大きくなって、より飛距離性能を追求できた」結果、飛距離を期待できるのがステルス(ドライバー)だと思います。そして何気に注目しているのがFW。カーボンフェースの話題の影に隠れているような印象のチタンフェースモデルですが、これはかなりのぶっ飛びだし、とにかく打ちやすかったかな。現在使っているのはキャロウェイ「X HOT」ですが、超久しぶりに「替えようかな…」なんて思うモデルとの遭遇でした。

<テーラーメイド「ステルス」アイアン>

■KAZ’sインプレッション(10点満点)

▽飛距離:10▽上がりやすさ:10▽操作性:8▽構えやすさ:8▽打感の柔らかさ:7▽ミスの許容度:9

■ヘッド:【#5~#8】ボディ&フェース=ステンレススチール(450SS)【#9~AW】ボディ&フェース=ステンレススチール(17-4SS)【SW】ボディ&フェース=ステンレススチール(431SS)

■シャフト(重量/トルク/調子):スチールシャフト「KBS MAX MT85 JP」(S=109g/1.8、R=109g/1.9/先中調子)。カーボンシャフト「TENSEI RED TM60(’22)」(S=68g/2.9、R=61g/3.1/中調子)。

■価格:「KBS MAX MT85 JP」装着モデル5本(#6~PW)セット11万円、単品(#5、AW、SW)各1本2万2000円。「TENSEI RED TM60(‘22)」装着モデル5本セット12万6500円、単品各1本2万5300円。※価格は税込み