2年連続賞金王の今平周吾(29=ダイヤ)が、アベ80台を目指すアマチュアゴルファーにヒントを伝授する「ゴルフステップアップ 今平周吾 賞金王の技」。元ロッテ捕手で現在本紙評論家の里崎智也氏(45)を生徒役に、アドバイスを送ります。今回はコースマネジメント編。飯能グリーンカントリークラブのバックティー&ベントグリーン使用の8番ホール162ヤードを舞台に、ショートホールの攻略法を聞くとともに実際にラウンドしてもらった。(以下敬称略)
※動画はさらに高度な今平プロのレッスンです。
ロング&ミドルホールよりも、ある意味シビアな面を持ち合わせるのがショートホール。ミスがそのままスコアに直結する可能性が高いのだ。100ヤードほどの短いホールであれば、1オン2パットのパーチャンスはもちろん、バーディーチャンスさえあり得る。だが、170~200ヤードと距離が長くなると、ボギーはおろかダブルやトリプルボギーなど“大たたき”の可能性さえある。コースセッティング次第ではあえてパーを狙わず、ボギーで良しとするマネジメントも必要となりそうだ。
舞台となった8番ホールは、ピンまで162ヤード。打ち下ろしで、グリーン手前に池が絡み、左サイドと奥にはバンカーというレイアウト。
今平 見ての通りですが、ここで最悪なのは池に入れること。池は140ヤードで越えます。今日はピンが左サイドに切られていますが、左と奥にバンカーもあるので、できればグリーン右サイドを狙いたいですね。
これはグリーンに乗らなくても、右サイドであればパーセーブの可能性が高いということだ。
里崎 この距離は、まず乗ればOKですよ! ピンよりも右サイドが広いので、狙いとしてはピンより右。ここでは左に引っ掛けるのが怖いかな。
里崎の8番アイアンティーショットはプッシュアウトで高麗グリーン方向。だが、これはある意味マネジメント通りで、想定の範囲内だ。
里崎 グリーンを間違えてるわ~(笑い)。
行ってみると、そこはフェアウエー。
里崎 寄せるにはラフよりいいかもね(笑い)。
今平 ピンまで30ヤード。上りですし、これは寄せやすいと思います。今までの傾向だとザックリしがちなので、そこだけ注意してください。
入念な素振りでイメージを作り上げる里崎。
里崎 ちょうど半分くらいでカラーを越えるのでその辺りに落として、あとは転がってくれば。基本的には58度のウエッジでピッチ&ランです。
そんなイメージで放った1打はキャリーでカップに入りそうなナイスショットだった。
里崎 いいショットだったでしょう。ちょっとイメージより飛んじゃったけど(笑い)。
ピン奥4メートル。里崎の読みは下りのスライス。半分よりもややピン寄りに立った。
里崎 この辺から切れそうな気がする。
今平 そうですね。
里崎のファーストパットはやや強め。思ったところでは切れず真っすぐ行ってしまい、ピンを2メートルオーバーだった。
里崎 速っ! 結構行くな。返しはほぼ真っすぐだけど、右カップ内側狙いでいきます。
今平 いいと思います。
無事これをねじ込んでボギー。
里崎 まあ、ボギーならいいでしょう。ファーストパットが思ったよりも行ってしまったけど、ちょっと強かったかもしれませんね。それで曲がらなかった。
今平 アベ90台を目指すならショートホールはボギーマネジメントでもいいかもしれません。このホールのように距離があって、池も絡むならボギーでOKです。ショートホールに限らず、素ダボ(ペナルティーなしのダブルボギー)にしないことがアベ90台への近道でしょう。
◆今平周吾(いまひら・しゅうご)1992年(平4)10月2日、埼玉県生まれ。08年埼玉栄高校1年の時、松山英樹らを抑えて日本ジュニアで優勝。翌年高校を中退して渡米。帰国後、11年にプロ転向。チャレンジツアー賞金王の資格で出場した15年シーズンに初シード獲得。17年「関西オープン」で初優勝。21年9月のフジサンケイ・クラシックなど現在ツアー5勝。18、19年と2年連続賞金王を獲得。20-21年シーズンとなった昨シーズンは9位で終了。165センチ、67キロ。
◆里崎智也(さとざき・ともや)1976年(昭51)5月20日、徳島県生まれ。鳴門工(現鳴門渦潮)-帝京大を経て、98年ロッテを逆指名しドラフト2位で入団。06年第1回WBC優勝。08年北京オリンピック(五輪)出場。オールスター出場7度。通算890安打、108本塁打、458打点。14年に引退、15年から本紙解説者に就任。YouTubeチャンネル登録者数は約42・2万人(21年3月現在)。ゴルフのスコアはアベレージ「85」。175センチ、94キロ。
◆取材・構成=川田和博
◆撮影=鈴木正人
◆協力=飯能グリーンCC(埼玉)