ゴルフレッスン面恒例の対戦企画は、大里桃子プロ（24＝伊藤園）に元広島のプロ野球選手で2021年全日本ミッドアマ8位の実力者、前田智徳氏（51）が挑む。舞台は千葉・グレートアイランド倶楽部インコースのトーナメントティー（3302ヤード）で、ハンディなしの9ホールマッチプレー。MCと解説はスポーツインダストリーゴルフスクールダイレクター新井真一プロ（58）が担当。14、15番を前田氏が連続バーディーで1アップ。残り2ホール。このホールを前田氏が取れば大里プロ撃破達成！　一体どうなるんだ？（以下、敬称略）

左から前田氏、新井プロ、大里プロ

17番ホールは177ヤード、パー3。グリーン手前から左サイドには池が絡み、右手前と奥にはガードバンカーが絡む、難易度の高いホールだ。

新井　このホールはどのように攻めますか？

大里　見て分かるように、左には池がドーンとあるので、まずはそこをクリアして、グリーンに乗れば最高ですね。

前田　大里プロが「グリーンに乗れば最高」というくらいですから、僕が乗ったら、それ以上のことはなんて言うんですかね？　ピンも結構手前で（横幅が）狭いですよね。奥なら（横）幅も使えそうだけど…。これはもう無理ですね。（右手前の）バンカーを狙っていきます。

新井　トーナメントでもここからしびれるホールとなります。

前田　画面で見ているだけでも難しくて、打てないなと思っていたけど、やはり難しい。でも、こんな条件なので頑張ります！

ティーイングエリアやや左にティーアップ。

前田　左からのアゲンスト。この風で左の池に入れたら大したものですね。男に二言はない。間違いなくバンカーに入れる！

5番アイアンで素振り。

前田　キャディーさん、アゲてますよね？

キャディー　はい。

だが、違和感があるのか、「なんか違うような気がするんだよな…」とつぶやいた。意を決してアドレスに入り放ったティーショットは宣言通り、右のバンカーに入った。

前田智徳氏の第1打

前田　有言実行です！

大里　1アップのリードがあるので「安全に」ですね。

新井　狙い通りですね。

前田　ん～、狙いはあそこからもう少しドローめだったけど、風もあったので、やらかすのが怖くて…。

大里も前田とほぼ同じ位置にティーアップ。手にしたのは7番ウッド。素振り後に1度ボール後方に下がってからのアドレス。ここまではルーティン通りだったが、フィニッシュが崩れ、ため息が漏れた。大里のティーショットは、前田と同じく、右手前のバンカーとなった。

大里プロの第1打は…

前田はピンまで25ヤード。足場を固めての60度バンカーショットは「うわ～、左だ～！」と本人は不満げだったが、ピン左1メートルのスーパーショット。大里もほぼ同じ距離で、クラブは58度。これもナイスショットでピン手前1・5メートル。

バンカーショットを放つ大里プロ

前田　ピン真っすぐでしたね。トーナメント仕様だったら入るまであったと思います。

新井　いずれにせよ、パター勝負になりましたね。

トーナメントさながらにグリーンを読む大里。

新井　ラインは？

大里　真っすぐで！

アドレス位置の後方で3回素振り後にアドレス。大里のパーパットは、わずかに強く、カップに蹴られた。無言のタップインで、大里はボギーが確定。

大里プロのパーパットはカップに蹴られた

新井　最後、若干左に切れましたね。

一方前田は、ねじ込めば勝ちのウイニングパット。

前田　キャディーさん、弱かったらどっちに切れますか？

キャディーの読みはスライスで、「左カップの内側狙いでお願いします」だった。

前田　でもね、このラインが気になるんですよね。

雨粒でぬれたグリーンに付いたボールの転がり跡に惑わされていた。そして、「合ってるのかな？　なんか違うな？」とつぶやきながらアドレス。意を決して放ったパーパットはタッチが強めで、カップ左を通過。しばし、立ち尽くした。

前田智徳氏のパーパットは…

前田　タッチが強かったのもあるけど、スライスですよね…。

20センチほどのパットを沈め、前田もボギー確定。

大里　なんか、わざと外してもらったような…（笑い）。

前田　露がフックラインで惑わされた。確かにタッチが強めだったけど、遠ざかって行ったように見えて…。

ともにボギーで17番はイーブン。残り1ホールのため、前田の引き分け以上が確定。最終ホールを大里が取り、引き分けとするのか、それともこのまま前田のプロ撃破となるのか。いよいよ決着する。